Treasure N

□神月あゆむ様より
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少年のようにあどけなかった彼等は、いまでも一緒にいる。
彼と彼と彼女と。

少し大人びた表情をするようになった彼女。

身長が伸び、今では彼等の中では一番高い彼。

黒髪を肩につくまで伸ばし、医学界では有名人な彼。


さぁ、神様に愛された彼等の物語のその先を…





《千年を廻り終わった恋》





それは、奇跡にも近い出会いが生んだ運命の物語…





「いらっしゃいま……って、君か」
「何だ、嬉しくないのか?」
「まさか……どうしたの?病院は?」
「今日は、休みを貰ってきた……クロヴィスを使って」


にやり、と笑うルルーシュにスザクは苦笑を返す。

何か、前も似たようなことを聞いたなぁ…と。


「まぁた、君は…」
「いいんだ、アレはそれくらいしか役にたたない」
「あんなにもクロヴィスさんは君のことを可愛がっているのに……」


その愛情が少し間違った方向に向いているのはいうまでもないだろう。


「何だよ、さっきから…帰るぞ」
「嘘、嘘だから!」


慌てるスザクを見上げ、ルルーシュはぷっ、と吹き出した。


「ばぁか、帰るわけないだろう」







今日という日を忘れてはならない…始まりの日。君との出会い。終わって、始まった、そんな日…


「寒っ……」
「まぁったく、君は格好付けすぎなんだよ。はい、マフラー」


くるり、と器用にスザクの首にまかれていたマフラーをルルーシュの首へ移す。

少しだけむっ、としたルルーシュだったが寒さには勝てなかったのか、おとなしくされるがままに。
そんなルルーシュを愛おしそうに見つめる。


「もう、何年だっけ?」
「さぁな。随分と時がたちすぎた…」


もう、ナナリーは守ってあげなくてはならないようなか弱い少女でなく、また彼等も随分と大人になった…


「まぁ、ルルーシュのシスコンは治ってないけど、ねぇ?」
「俺はあんな奴認めない!」
「そう?僕はいい人だと思うけどなぁ…」
「どこの馬の骨かわからないじゃないか!」
「……聞いてみる?」
「バカが」


車を進めながら、たわいのない会話。それが自然になったのは、いつからだっただろうか。それさえもわからないくらいに彼等の関係は、自然、なのだ。


「で、どうなった?」
「ん?」
「これから向かう先」
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