Short Story
□初めては(マリみて)
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放課後、いつもの様に薔薇の館にやって来た蓉子。
ビスケット扉を開けると、部屋には先客がいた。
蓉子「…あら、遥ちゃん」
蓉子の声に先に来ていた遥が、蓉子を見て挨拶をした。
遥「…ごきげんよう、蓉子さま」
"ごきげんよう"と返すと、蓉子は席に着いた。
遥は立ち上がりティーカップに紅茶を注ぐと、蓉子の前に置いた。
蓉子「…有り難う」
微笑む蓉子に「いえ…」と返すと、遥は席に戻った。
(カチコチカチコチ・・・)
静かな沈黙が、二人の間に流れる。
でも、気まずい様な雰囲気ではない。
蓉子が黙って資料を見ていると、不意に遥が口を開いた。
遥「…あー、何か小腹がすいたー(-д-)」
そう言って、鞄を漁り出した。
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