夢の向こうは歪みの国

□細身のシルエット
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「チェシャ猫?」


後ろを振り向くと、付いてきているはずのチェシャ猫が居なかった。

猫が散歩行きたいって珍しく自分の意思を発言したから、こんな夜中なのに公園まできたのに…


「なんでいないんだよぉ…」


あたりを見回しても居ないから、ブランコに座って猫を待つことにした。





しばらくたってもチェシャ猫がこない。

かわりに、後ろで私のではない、足音が聞こえた。


「!?」


ザッザッ…

猫は足音たてずに近づいてくるもんね…。

ということは、チェシャではない。


ぞあっ
寒気がした。

怖い。


足音は近づいてくる…


私は立って、走った。


走ってるような足音。

追いかけてきてる?



やだ。


「…ッ猫っ!!」


曲がり角を曲がったらすすき野原。

すすき野原は街頭に照らされて怪しく光っている。


そこで、毎日見てる細身のシルエットを見た。


「チェシャ猫!!」


細身のシルエットの持ち主は振り向いた。


「アリス…」


そのシルエットに思いっきり抱きついた。
シルエットはアリスに押し倒された。


「ぐお…」

「猫のバカ。何処いってたのよ。」


ずっと此処にいたよ?と、猫は首をかしげた。

バカ。可愛いよ。。


「アリスのほうが可愛いよ?アリスだからね。」

「なにそれ。決まってるの?」


アリスだからね、と、繰り返した。


あぁ。私はこの猫が居なくなったらどうなるのだろう?


チェシャ猫の胸に顔を沈めると、生臭い獣の臭いがした。

この臭い。。
チェシャ猫だ。

なんだかすごく安心する。。


「アリス?いつまでこういう風にしていればいいの?」

「あたしが落ち着くまで。」


「誘ってるn「なんでよ。」…僕らのアリス。君が望むなら。」






細身のシルエット
(そのシルエットを見ると落ち着くんだ。)






―提供―
猫好き同盟
細身のシルエット





 

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