novel
□sympathy
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それから、今に至る。
あまり大人数になってしまったので、なぜか元々のメンバーが肩身の狭い思いをしている。
私たちが隅の方で普通に食事をしている横で、ナルト君がどんよりとした空気を放っている。
どーせ俺なんか、俺なんか、という、全然らしくない言葉がたまに聞こえる度、テマリさんとカンクロウさんが我慢できないと言いながらクスクス笑っていた。
サクラちゃんといのちゃんが、リーさんが間違ってお酒を飲まないようにいろいろな話題をふって盛り上げている。
こちら側(普通のお食事中)に来てふう、と息をついた兄さんにシカマル君が何か話しかけていたけれど、私はテマリさんばかりを見てしまっていた。
もともと、綺麗な人だなとは思っていた。
だけど、そうではなくて、
今回の任務で、私は確かに何かを感じ取ってしまった。
この眼から。
「なに?」
テマリさんが静かに、私を見る。
その仕種ですら見とれてしまいそうで、私は慌てて俯いた。
「いえ・・」
とは言ってみたけれど、きっと、何もかもが
「何か、隠してるって思ってる?」
テマリさん瞳が、一瞬鋭さを増す。
少し離れたところで、カンクロウさんがこちらを見ていた。
だけど、テンテンさんが話しかけるとそちらを向いてしまい、私たちはいつの間にか2人だけのようになった。