novel
□Cold day in the sun
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暖かい日差しの中に居ても、こんなに冷たい。
叶わないことだと最初から分かっていたのに、
気づいたときにはもう止められなかった。
だけど、
一歩ずつ、ゆっくりと近づいて来るかと思われたそれは、
突然、やってくることになる。
『最後』
ああ、
そうだった。
最後に私は、いつものように
『じゃあ、またな』
と言った。
思い出すと何だか可笑しい。
たくさんの覚悟が必要だったのに、
別れるときってそんなものか。
あいつもあいつで、
否定もせず、不自然なことは何もなく、『ああ』と。
私は地面に座り込んだまま、
ふっと笑った。
身体が軽くなる。
もう、大丈夫だという気がして、静かに立ち上がる。