novel

□予感
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見学を終えて帰ろうとすると、シカマルが送ると言う。



これはいつものことだ。

最初の内は『悪いからいーよ』と言ってみたりもしたが、
その辺は譲れないところなのだそうだ。



そんな風に、いちいち女扱いされるのも、今となっては悪くない。








「さっきの話なんだけどさ」



突然耳に入った声に、私は一瞬反応が遅れたけれど、
目を合わせるだけで、次の言葉をじっと待つ。

シカマルは静かに、だけど確かに力を持った声で、言う。



「今見えないなら、見たくなるだろ?
どーなってんのか気になるから。
だから、それを見るために、”今”を生きればいいんじゃねーかって思う」



私は何のことを言っているのか分かっていたけれど、無表情のまま、ただシカマルを見つめていた。

何と返事をしたらいいのかよく分からず、
「”いま”」
とだけ呟いた。






さらに、彼は続ける。



「後悔とか、
そんなめんどくせーことしねーよーにさ。
少なくとも俺はそーやって生きてる」










 
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