novel
□Re
1ページ/4ページ
『Re』
あたしには、ものを分ける癖がある。
ひとつはあたしの。
もうひとつはチョージ。
これはシカマル。
小さな頃から、ずっとずっとそうしてきた。
そう言って渡したものの多くは、なんだったか覚えていない。
それほどに、あたしにとって、あたりまえのことだったから。
シカマルとあたしたちに、違う任務が渡されることが多くなった。
明らかに、あたしやほかの中忍とは異なる視線が、シカマルには向けられている。
悔しくないと言えば嘘になるけれど、あたしから見てもシカマルのセンスはずば抜けている。
だからたぶん、いつかは離れることになってた。
少なくともあたしとチョージはそう考えてる。
本人も、きっと気づいているんだろう。
周りから向けられた期待にも似た空気を、はねのけることもなく、かと言ってまとわりつかせている訳でもなく、いつもの、彼なりの、演出。
(あたしには、居心地悪そうに見えるよ)
そんな状況の中でも、シカマルは言葉とは裏腹に、そして今までの彼からは想像できないほど、頑張ってるなんて思う。
それには何か、訳があるんだろう。
周りに少なからず応えようとしてること、仲間のために強くなろうとしてること、らしくないようで、とても彼らしい。
それから、もうひとつ。
なんとなく、知っているような気もするそれに、あたしは気づかないふりをしていたけれど。
実感するのは、もう少し後の話。