novel
□freedomleaf
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『freedomleaf』
夕刻には、テマリが到着するだろう。
それまでの時間を俺は先生の側で過ごす。
「先生には、まだいろいろ聞きたいことあったんだ」
石に刻まれた名前を指で辿る。
その人のいちばん大事なものも、俺が守ろうって、思った。
俺なんかの手が必要なほど、弱いひとでもないかもしれないけど。
テマリの影と、重なる。
なあ、先生、忍どうしって
あんたでも結構つらかったりしたのか?
俺は、煙草に火を付けて、その石の側に置いた。
白い煙が、風のない空に吸い込まれていくようだった。