最遊記〜旅立ち編〜
□*外れてしまっていた歯車*
1ページ/7ページ
ザァー……
雨が休むことなく降り続く…。
「つまんねぇ…」
立ち止まり空を見上げ、瞳を閉じる。
何気なく呟いたその一言が自分に突き刺さる。
――そうしたのは自分自身か
全身に雨が突き刺さる。
泣けない自分の代わりに泣いてくれているかのように…。
「…フッ」
そんな自分に笑いが込み上げる。
自分が愛された記憶なんて覚えていない。
――まっ、所詮他人だからな…つか、あいつらに愛されたくも無いけどな
「……フッ…」
笑いながら瞳を開く…。
思いのままあの場所から逃げ出して1週間。
自分を探そうとする人間はこの世界にはいない。
――そろそろ自分の体力も限界か
.