いばらの恋
□prologue
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――…大切な人と共に在りたい。
それはお互いが、ずっと心の中に抱きつづけた夢であり、未来でもある。
思い思いに好きあった氷の造形者と月の者。結ばれた二人の願いはただひとつ。
でも、そのたったひとつの願いさえ届くことはなく、小さな言の葉となって天高く消えていくの。
たったひとりの、たった一度きりの我儘。ひとりさみしい夜に声を殺して泣いた天使は、あの日、姿を消した。
あなたに触れたい。
あなたに溺れたい。
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