黄色い幸福

□デート、しませんか?
1ページ/7ページ


「・・・と、いうことで今日の部活はナシよ!」

カントクの一言でなんともあっけなく本日の部活は終わってしまった。



「オマエは今日どうすんだ?」

現相棒である火神君に尋ねられボクはうーん、と首を傾げた。
本来ならば今日は他校との練習試合だったのだが、相手校の都合が悪くなってしまったのだ。それだけならば普通に誠凛で練習をすれば良いのだが、生憎向こうのコートで試合するつもりだったので、体育館はバレー部が使用中である。

そんなワケで今日の予定が変わってまった。

「オレは、公園で練習するけどオマエも来るか?」

さて、どうしましょうか。それもいいですが・・・

「読みたい本がたまっているので、今日は家でゆっくりします。」

「そうか、じゃ」

火神君と別れた後ボクはスボンのポケットから携帯を取り出した。さっきはああ言ったが、本当の目的は他にあった。

(黄瀬君は今何してるんですかね?)

最近はお互いに忙しく、会っていない。きっと今日も忙しいに違いない。そう頭ではわかっているが、ついつい身体が勝手に動いてしまい、黄瀬君の電話番号に掛ける。

「黒子っちから掛けてくるなんて珍しいッスね!」

ボクはあまりの声の大きさに顔を顰めた。携帯のボリュームがおかしいのだろうか、と思って確かめる。大丈夫だ、黄瀬君の声が大きいだけだ。

「・・・電話で叫ぶの止めてください。耳が痛いです。」

「悪かったッス、嬉しくて・・
あ、ところでなんの用ッスか?」

完璧に忘れていた。今日、会えますか?と聞こうとしたところで気付く。受話器の向こうから、何人かの女の子の声がする。

「すいません、やっぱりいいです。忙しそうですし。」

「えっ、ちょ、黒子っち⁉」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ