a shining flower〜水道魔導器編〜

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ダングレストに戻ると、街中がやけに騒がしかった。話を聞くと、どうやらドンを尋ねた騎士がユニオンに顔を出しているようだ。

「ねえカロル。帝国とギルドって仲が悪いんだよね?」
「うん。そうだよ。」
「じゃあ・・なんで騎士が・・」
「さあな。それも気になるが、まずはバルボス探しだ。俺たちもユニオンに行くぞ。」

ユニオンに着くと、天を射る矢の人がドンのところへ案内してくれた。
部屋に入ると、そこにはドンと話している金髪の騎士がいた。

「よう、てめぇらか。帰って来たか。」
「ふ、フレン!」
「・・・ユーリ、リクティス・・」

ユーリ達とフレンはお互い顔を見合わせるが言葉が出てこない。それを見たドンが知り合いだったのかと尋ねた。

「はい、古い友人で・・・」
「ほう」
「ドンも、ユーリ達と面識があったのですね。」
「魔物の襲撃騒ぎの件でな。で、用件はなんだ?」
「いや・・」

フレンが言い難そうにしていると、ユーリが横から入ってドンに用件を伝えた。

「俺らは紅の絆傭兵団のバルボスってやつの話を聞きにきたんだよ。魔核ドロボウの一件、裏にいるのはやつみたいなんでな。」
「なるほど。やはりそっちもバルボス絡みか。」
「って事はお前も?」

フレンはユーリの問いに頷き、改めて姿勢を正しドンへ用件を言った。

「ユニオンと紅の絆傭兵団の盟約破棄のお願いに参りました。バルボス以下かのギルドは各地で魔導器を悪用し、社会を混乱させています。ご助力いただけるなら、共に紅の絆傭兵団の打倒を果たしたいと思っております。」
「・・・なるほど、バルボスか。確かに最近のやつの行動は少しばかり目に余るな。ギルドとしてケジメはつけにゃあならねえ。」

ケジメ。その言葉を聞いてリクティスは息を飲んだ。ギルドのケジメと言うのは、恐ろしいものだろうと想像をしてしまった。

「あなたの抑止力のおかげで、昨今、帝国とギルドの武力闘争はおさまっています。ですが、バルボスを野放しにすれば、両者の関係に再び亀裂が生じるかもしれません。」
「そいつは面白くねえな。」
「バルボスは、今止めるべきです。」
「協力ってからには、俺らと帝国の立場は対等だよな?」

フレンがもちろんです。と答えると、それも悪くねえと言った。さすがドン、視野を広く持つギルドの長である。

「では・・」
「ああ、ここは手を結んで、ことを運んだ方が得策だ。おい、ベリウスにも連絡しておけ。いざとなったらノードポリカにも協力してもらうってな。」

そう言って遣いの者は急いで部屋を出て行った。


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