a shining flower〜水道魔導器編〜

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24.

「世の中にはこんな大きな木があるんですね・・」
「けど、ここまで成長すると逆に不健康な感じがすんな。」
「すごい・・」

木のてっぺんが見えない程高く、そして太い幹を持つ樹をエステルとリクティスは眺めていた。

「カロルの言ってたとおりね。ヘリオードで魔導器が暴走したときの感じになんとなく似てる。」

その時、近くの茂みがカサッと動いた。それにいち早く気が付いたカロルが、斧に手を掛け小声でユーリ達に危険を知らせた。

「・・・気をつけて。誰かいるよ。」
「まさか・・紅の絆傭兵団・・?」

緊張が走る中、そこに現れたのは紫色の羽織ものを着た、あのおっさんであった。

「よっ、偶然!」
「レ、レイブンさん!!」
「・・・こんなところで何してんだよ?」

知り合いの顔が出てきた事により、全身の力がふっと抜けてしまった。ユーリの質問に、レイブンは適当な理由をつけて軽く言った。

「自然観察と森林浴って感じだな。」
「うさん臭い・・・」
「あれ?歓迎されてない?」

今までの仕打ちを考えてみれば、みんなの態度は仕方が無いであろう。レイブンを冷たい目で見ている。

「本気で歓迎されてるなんて思ってたんじゃないでしょうね?」
「そんなこと言うなよ。俺、役に立つぜ。」

今の言葉に引っかかるものを感じたのか、カロルはレイブンに言った。

「役に立つって・・まさか、一緒に来たい、とか?」
「そうよ。一人じゃ寂しいしさ。何、ダメ?」
「背後に気をつけてね。変な事したら殺すから。」
「リ、リタ!な、仲良く行こ?ね?」
「リクティスちゃん優しい!おっさん涙でちゃう!」


レイヴンがリクティスに飛びつこうとしたところを、ユーリによって遮られた。

「むむ、おっさん、そーゆー趣味はないのよ!」
「オレもねえよ。ったく。なにどさくさに紛れてリィに抱きつこうとしてんだよ。」

あ、ばれた?とレイブンはおちゃらけて言った。
そんな事もあり、リクティスのそばからユーリは離れる事なくこの森を歩く事になった。
樹が巨大化した事により、本来の道は、巨大化した木の枝や根が邪魔をしてしまい通れない。なので、歩けそうな枝や根の上を渡っていった。


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