a shining flower〜水道魔導器編〜

□22
1ページ/7ページ


22.

ルブラン達に、罪状の確認をさせられていると、突然アレクセイが部屋に入ってきた。

「アレクセイ騎士団長閣下!どうしてこんなところに!?」
「アレクセイ・・・なんで」

「エステリーゼ様、ヨーデル様、両殿下のお計らいで君の罪は全て赦免された。」
「な、なんですとぉっ!こいつは帝都の平和を乱す凶悪な犯罪者で・・!」

「ヨーデル様の救出ならびに、エステリーゼ様の護衛。騎士団として例を言おう。」
「こちらを・・」

そう言って、クリティア族の女がお金を渡してきた。

「そんなもんいらねえよ。騎士団の為にやったんじゃない。」
「そうか。」
「それより、エステルだが・・」
「先ほど、帝都に戻る旨、ご承諾いただいた。」
「え・・・!?あ、でも、お姫様なら仕方ないか・・」
「姫様には宿でお休みいただいている。顔を見せて上げて欲しい。」

そういって、アレクセイは部屋を出ていって。

「・・・」
「リクティス、どうかしたの?」
「あ、うん・・なんだか、アレクセイに睨まれたように感じて・・・気のせいだよね。」

あははと笑うリクティスだが、カルボクラムでの一件から元気がない。

「リィ、キュモールの事か?」
「う、うん・・」
「大丈夫だ。オレがいるから。」
「ありがとう・・」
「ねえ、エステリーゼの様子、見にいかない?」
「そうだな。行くか。」

ルブラン達の悔しそうな顔を横に、ユーリ達は部屋を出た。

「エステル、帰っちゃうんだね。」
「なんか・・寂しいね・・・」
「・・それより、ここはどこなんだ?」
「新興都市ヘリオードだよ。位置的には、トリム港とダングレストって街の間だね。まだ、作られて間もない新しい街なんだ。この道を東に行けば、さっきいたカルボクラム、西北に行くとダングレストだよ。」
「ふ〜ん。少し街の中でも見てみるか。」
「私は好きにさせてもらうわ。」
「ボクは・・どうしようかな。」

とりあえず、それぞれ別行動をして、日が落ちたら宿屋で待ち合わせする事になった。

「リィはどうするんだ?」
「・・ユーリと一緒にいたい。」

いつも以上に素直なリクティスに、少しびっくりしたが、すぐに微笑んで頭を撫でた。

「それじゃ、一緒にいくか。 」


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ