a shining flower〜水道魔導器編〜
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ハルルを西に進むと、綺麗に整備された道に到着した。
「ここがエフミドの丘?」
「そう・・・だけど・・・おかしいな。結界がなくなってる。」
カロルが空を見ながらあるはずのものがなくなっていることに驚きを隠せないでいた。
「前は結界があったのか?」
「うん。来るときにはあったよ。」
「人が住んでないとこに結界とは贅沢な話だな。」
「そうだね。結界がなくて困ってる街もあるのに。こんなとこにあってもなんの意味があるんだろ。」
「あんたの思い違いでしょ。結界の設置場所は、あたしも把握してるけど、知らないわよ。」
リタの言葉にカチンときたカロルは、むっとした声でリタに反撃したり
「リタが知らないだけだよ。最近設置されたって、ナンが言ってたし。」
「ナンって誰ですか?」
すると、突然エステルのアンテナがピピっと反応し顔をキラキラさせながら質問をした。
「え・・・?え、えっと・・ほ、ほら、ギルドの仲間だよ。ボ、ボク、その辺で情報集めてくる!」
「あたしも、ちょっと見てくる。」
そういってカロルとリタはそれぞれ情報を集める為にユーリ達から離れていった。
「ったく、自分勝手な連中だな。迷子になっても知らねえぞ。」
「まあまあ、そう言わずに。」
「わたしたちも行きましょう。」
補整された道を進むと、なにやら煙を出しながら壊れているものがある。そこには、騎士団がチラホラいるのが伺えた。すると、その煙の元凶にリタが近づこうとしていた。
「こらこら、部外者は立ち入り禁止だよ!」
「帝国魔導器研究所のリタ・モルディオよ。通してもらうから。」
「アスピオの魔導士の方でしたか!し、失礼しました!ああ、勝手をされてはこまります!上に話を通すまでは・・」
リタは名前を名乗るとすぐに立ち入り禁止区域に入っていった。
「あの強引さ、オレにも分けてもらいたいね。」
「ユーリには必要ないかと思うんですけど・・・」
「あれ、壊れてるのもしかして魔導器?」
「ん?・・なんだかそうみたいだな。道塞いでちゃノール港に行けねえじゃねえか。」