霊刀 鐵

□追われて、追われて
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明け方のまだ空の白い頃•••




『ヤバい••••。血を流しすぎた。』

木から木へと、飛び移る様に走りながらぱたぱた、と体中にできた傷から、鮮血が落ちる

走っていた足を止めて、ずるずると木に座り込む
肩を上下させてくるり、と走ってきた方を見る

そこには、生き生きと青く緑が茂っていた

ーーー追っ手は、巻けたか。

安心したようにふーっと、息を吐いて、ググ、と大きく伸びをする




ーーーもう、動けんだろ



5分程座り込んだ後そう言って、
スクリ、と立ち上がり明るくなった空の下、賑やかになってきた方へと歩き出す


先ほどの傷はどこにも見られなかった
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