main〜onepiece〜

□1話
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それは、とても突然の出来事。









「おいっ、起きろ!」


名『んっ・・・・お母さん、あと五分・・・・』




体を思い切り揺らされ、私は少し呻き声をあげた。
あれ、お母さんて、こんなに力強かったかな?
それよりも何だか声が幼い気が・・・・・・。




「ーっ俺はお前の母親じゃねぇ!!いい加減起きろ!!」


名『ぎゃあっ!!!』




いきなり体が持ち上がる感覚に驚き、先ほどまでの眠気が吹き飛んだ。
あ、私今、女らしかぬ声で叫んでしまった。
そ、それよりもあれ?ここは一体・・・・・。

わけも分からずにキョロキョロしていると、私を持ち上げていた子供が・・・・子供?!




「やっとおきたか。こんなとこで寝てんなよ。」

名『な、何で持ち上げてっ・・・!!』





本当は他にツッコまなければならない事が有るのだろうが、今は兎に角自分より殆ど一回りは小さい男の子に持ち上げられていることがあまりにも恥かしいから、早急に降ろしてもらえると有難いっ!

絶対凄く重いはずなのに、どうしてこんなに軽々と持ち上げ得られているの!?
う、腕大丈夫?!




「お前、何でこんな所で寝てたんだ?』

名『あ、ああああの私、凄く重いから、は、はははは離してくださいぃいぃ!!!』

「は?別に重くねー。軽い。」





か、軽い!?
そ、そんな筈は・・・・いや、勿論軽いって言われて嬉しくない訳じゃないんだけれど、こう、何とも言い難い気持ちが・・・・・。

そんな事を考えている間に、いつの間にか足が地に着いていた。
どうやら降ろしてもらえたみたいだ。
そうして一息ついてから目の前の男の子の顔を見た。

あれ、このそばかすの顔、どこかで見たことがあるような・・・・。
「会った」というよりは「見た」という表現が合う。
芸能人の様な不思議な感覚。

そこで私は友人から一度だけ貸して貰った有名な漫画の登場人物の顔が、ぼんやりと思い浮かんだ。




















あ。





名『あああああああああああっ!!』





思い出した。
ワンピースの「エース」だ。
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