shin
□ただ、それだけ…
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しばらく歩いて、目的の店の前で俺は足を止めた
シン「着いたぞ」
店の看板を見上げた里佳は、目を見開いた
里佳「シンさん…ここって…」
シン「俺が気に入っているチョコレートの店だ
覚えているか?一度だけお前に、褒美としてやった事があっただろ?」
里佳「もちろん覚えてますっ!
とってもおいしかったですから!」
重厚な木の扉を開けた瞬間に、甘い香りが漂う
里佳「わぁ…すごい…」
里佳は綺麗に並ぶチョコレートを見て目を輝かせた
シン「好きなものを言え」
里佳「…えぇっ!?」
シン「聞こえなかったのか?今回だけだ、早くしろ」
里佳「シンさぁんっ!!」
シン「あほっ!抱きつくな!」
まったく…こいつは…
嬉しそうにチョコレートを選ぶ里佳を隣で見ているこの時間だけは、こいつが俺だけのものになった感覚を味わう事が出来た