からーきゃっと★
□十五話
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『はぁ、はぁっ!!……』
力の限り一生懸命に走るが、インドアな子である名前にとってすでに限界は見えていた。
も、もう無理!!!!
ゆるゆると減速し始めた名前の腕を、追いかけてきたであろう人の手によって掴まれた。
体中がゾゾゾッと震える。
『キャ、んぐぐぐ!!!!』
?「名前!!僕だ!!」
口をふさがれ、パニックになっている私の耳に、聞きなれた声が聞こえ、ゆっくり振り返る。
『あ、赤司…くん??』
街頭で照らされた彼の顔を見た瞬間。脱力してその場に座り込んだ。
赤「追いかけるのが大変だったよ。……大丈夫かい??」
赤司は名前に苦笑いを浮かべながら、手を差し出した。
どうやら、不審者だと思っていた人は彼だったようだ。安心したせいか脱力感が一気に押し寄せる。
『不審者かと思って』
名前は差し伸べられた手を握り立ち上がりながら、申し訳なさそうに眉を下げた。
赤「まったく、あれほど学校を早く下校するよう言っておいたのに……」
『返す言葉もございません』
赤「……はぁー……。まぁ、何か起こったわけじゃないし、もういいけど。
本当に、君に何も起こらなくてよかったよ」
名前の頭に手を乗せ、優しく撫でながら赤司は薄っすらと笑みをこぼした。
――――ドキッ
『??』
ドキッと飛び跳ねた心臓。
胸に手を置きながら、首をかしげた。
なに??このドキドキは……。
心臓の病気でしょうか?
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