手を伸ばせ!!

□叫んでも、特に効果はない。
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仮入部期間初日、体育館に集まったのは新入生[男子]10名ほど。
女子の姿は、私とリコちゃん以外ない。

『なんで男だけなんだ!』
「だからそれは、ここが男バスだからだって」

伊月は再び言った。
そんな現実、今は突きつけなくていい!!



「あのー、先輩。この人って……」
「話を聞いて分かると思うが、無類の女好きだ」

「(変な人だ……!結構美人なのに、残念な人だ!)」

「お前らの考えてること、なんとなく分かるぞ」

日向が頷きながら言う。
私はむっとしながら反論した。

『日向、何度も言ってるが、私は女好きじゃない。女の子が大好きなだけだ』
「それを女好きって呼ぶんだ」
『言葉から受ける印象が全然違う。なんか、女好きというと不純な感じがする』
「お前のどこが純粋だ!?」
『どっからどーみても純粋100%だろうが』
「寝言は寝て言え、この女ったらしが!!」
『余計不純になってるぞ!』

日向は、うっせぇ、このモテ王子!と叫ぶ。
むしろ褒め言葉じゃないか?それ。

ちなみにモテ王子というのは、私の男子間でのあだ名だ。
その由来は単純に、私が女子にモテるからだ。
私はモテているというより、女子に優しくしたくてそんな状況になっているだけなのだが。



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