手を伸ばせ!!
□私は女子マネに期待する。
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――ガシャン、
金属の輪っかが軋む音が響いて、私の三年間は終わりを告げた。
――お前、高校どーするんだ?俺のとこ来るか?
――バスケは続けるのか?
――そっか。まあ、お前がそれでいいんなら、俺は何も言わないけど。
四月。桜舞う季節。
私立誠凛高校の部活勧誘スペースは、人で溢れかえっていた。
その喧騒を、校舎の二階から眺める。
真新しい制服に身を包んだ、少し緊張した面持ちの新入生たち。
実に微笑ましい。
私も一年前、あんな感じだったんだろうか。
――――ていうか、そんなことより、
『かわいい女の子が、たくさん……っ!!』
その事実に、無性に心が高鳴る。
私の学年もかわいい子が多いけど、今年もなかなかの豊作だ。
『近くで見よう!』
拳を握りしめて、私は机の上にあったパーカーを着込む。
そして、あわただしく教室を後にした。
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