闇英雄の扉

□とある闇英雄の日常
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「シェ〜ル〜?」
カツリカツリと、イッカクをモチーフにしたような仮面をつけた少年は、誰かを探すように言い続ける。
ここは、“シェル”の縄張りにある城である。
「なっなに?ディウス?」
シェルと呼ばれた少女はシャコ貝をモチーフにした仮面?をつけている。
「うれしいお知らせだよ!今日、コイールがおっちんだ!」
「・・・そう、なんだ・・・」
シェルは一粒涙を流した。
少女を支配する邪悪は愉快。
つまり、少女はいつも泣いてばっかりなのである。
「えっ?!そんなことで泣いてるの?!いや〜、俺、うれしいぜ!」
そして、少年を支配する邪悪は平素。
いつも嘘ばっかり吐いている。
少年はただ、天邪鬼なだけなのだ。
つまり、少年は今、悲しんでいる。
「・・・ありがとう。ディウス。そんなに悲しんでくれて」
シェルは精一杯の笑顔を作る。
「・・・悲しんでねぇよ」
ディウスは涙を浮かべる。
少年がうれしいときや楽しいとき、いつも涙を浮かべる。
「・・・ねぇ、ディウス」
「なんだ?」
「私たち、ずっと一緒だよね・・・?」
「おう。ちがう」
少年は、心から一緒にいると誓った。

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