月影と愛されし君 magi

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驚いた、部屋まで隣だったらしい。

案内され、一緒に来たのは自分の部屋の隣の部屋。そんなことは黙っておいたが、中へと通されれば座り、出された料理を食べながら話を聞くことにした。



「んで?あんたの名前は?」
「あぁ、俺は…君は攻略者だし、知っているとは思うが、シンドリア国の王――…シンドバッドだ」


「……………へぇー」


「へぇ、って…それだけか……?」
「七海の覇王だろ?聞いたことぐらいあるさ、俺は各国旅してるんだぞ?まぁ、旅つってもふらふらしながら迷宮攻略してるだけだけどな」
「そうだな、一人一つが妥当な金属器をなぜ3つも?」
「それ、君が言うか?七個も持っちゃってる化け物じみた君に言われたくない。別に何個持ってようが、君には関係ないと思うけどね」



食べ物を口に運びながら会話をするルシリスなのだが、少し相手を小馬鹿にしたような話し方で怖い顔をして見てくる緑の被り物をしたジャーファル。

…そんなに見られたら俺でも、穴空くんだけど?

そんなこと言える状況でもなく、シンドバッドに根掘り葉掘りいろんなこと聴かれてそれに答えてゆく。




「けれど、君はあてはあるのかい?旅を続ける理由は」


「ない。」


「即答か…ならどうだ?俺の国に腰を据えるってのは」
「あんたの国に?」
「ちょ!!本気ですか、シンッ!!何処の馬の骨かも分からない輩を…」
「骨じゃないぞ?強大な馬だ」
「そこじゃないでしょうっ」
「んー、まだ見て回りたいから、ひとつきして気が変わらなかったら君の国見に行ってあげても良いよ。君の傍は愉しそうだしね」


ツッコミを入れるジャーファルに、面白くて喉の奥でクツクツと笑えば
シンドバッドの国、シンドリアに来いと言う言葉に返事をすると、ふふっと目を細め恍惚と笑った。

静かになる二人、首を傾げれば丁度部屋にきた人に追加注文をして

彼の魂胆は直ぐ様わかる。
国のためを免罪符に力ある札を集めては自身の国へと招き入れて自分の札にしている


マルバスの能力、人の秘密など全てお見通し。
隠そうが何しようが



――――…マルバスの前にはそんなものただの赤子の腕を捻るより簡単な事







「俺の力がほしいなら、そう言いなよ」







笑っていたルシリスが無表情になれば、また違った意味でその場が凍る



「そうだな、名前いってなかった。俺はルシリス。各国を旅しながら迷宮攻略してるんだが、聞いたことあるかい?“流離いの金狼”って」



その名を言えば、目を見開くジャーファル




「っ、さ、“流離いの金狼”って、ま、まさかっ…あの」
「落ち着け、ジャーファル」
「これが、落ち着いていられますか!!“流離いの金狼”っていったら有名な、旅人ですよ!何時何処に現れるかは分からない、一匹狼」

「流石に、そんな大層なもんじゃ…」



苦笑しながら、暑くなってる彼を止めた


俺はそんなすごい奴じゃない――…。
食べていた手が止まり、苦笑しながら自分の頬を人差し指で掻く



「んー、益々俺は君が欲しい」


「俺の気が向いたらねー王様ー」
「その呼び方は気に食わん。シンでいいぞ、親しい者はそう呼ぶからなジャーファルの様に」

「んー、なら、シン…」



そう、気が向いたら行こうか。そのつもりのはずが、既にもういきたかったりするのは黙っておこう
ひとつき後が、凄く楽しみになったどうしよう。

全部食べ終われば、さっさと部屋へと戻った




 

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