月影と愛されし君 magi

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宴会も、全員が酔い潰れお開きとなった。
その場で全員休むことになり、夜

その場から少し離れた場所に、一人と一匹の影―――。



「――――…」

「…………」
「来ると思ってた、アラジン」

「わかったのかい?おにいさん…周りのルフが綺麗でそれでもって何処か不思議なんだ」



座り、隣に寝ていた灯厘が急に起きて後ろを向く。
しかし、唸るわけでもなく
ただただその人物を見るだけ。


そして、後ろから来たのはアラジン



「………おにいさん、それ全部触っても良いかい?」
「あぁ、良いぞ?お前も攻略者なのか―――」



アラジンが近付き近くに来るなり、金属器に触れたとたん四体のジン達が現れアラジンの笛から一人のジンが出てくる
頭がないのが気になるが、そこは置いておくが

俺以外の人間が触って何故実体化する?と首をかしげた




《我が名はマルバス。虚偽と知識より、ソロモンに作られしジン…王はルシリス》
《我が名はマルコシアス。忠誠と業火よりソロモン王に作られしジン。王はルシリス様》
《妾の名はゴモリー。艶福と愛憎よりソロモンに作られしジン、王はルシリス》

《我が名フラウロス、炎火と狂乱よりソロモンに作られしジンが一人。王はルシリス》


「す、すごい――」


巨大な姿で出てきた全員は、アラジンの方のジンを見るなり何だか畏まりジェスチャーで会話をすると小さくなり周りに集まる。
このサイズが本来の何時もの姿で



《そうか…世界がな…》
「世界がなんなんだ??」

《今、色々世界で異変が起きてるじゃあない?それについて…かしら》

《ま、俺らには関係無いな。ルシリスが王になればいいだけだし〜》


四人のジン達は思い思いに話す。
大体、四人もいるからこうもややこしかったりする
話の収拾つかなくなるしな

そう溜め息を吐けば、何時も灯厘が擦り寄ってくる
それだけが癒しで癒しで



《さてとぉ〜…そろそろ戻るわよ、貴方たちほら》

《もっと話してたいけど、時間切れだ》
《では、失礼―――マギよ》

「マギ、そうかアラジンはマギか…それでお前の周りのルフは綺麗で沢山いるのか」
「おにいさんも、すっごい沢山いて綺麗だよ。わからないけど、すごく楽しそう」

「そうか」



その日はそれから少し話して、寝ることにして商隊達の方へと戻った








 ― ◆ ―






そんな日から、まる5日
やっと、バルバッド周辺へと付いた。

そこで、商隊のメンバーとはお別れになり手を振った

そして流れる沈黙



「これからよろしくね、モルジアナさんにルシリスおね…おにいさん」
「ハイ。」
「いや、今言い間違えただろ…良いけどよ」

「ふふ、じゃあおねいさんで。ねぇ。《モルジアナさん》って長いから、なんて呼ぼうか?」

「…………なんとでも」
「じゃあ、《モッさん。》」
「……………………」



アラジンの付けたあだ名は気に入らなかったのか、黙ったまま歩く。



「いやかい?」

「嫌なんだろうな、モルさんとかそのへんでどうだ?」
「…………ハイ」

「だってよ、アラジン」
「じゃあ、モルさんで決定!そーいえば、そっちの大きな猫さんはなんていうんだい?」

「アラジンさん、それは…猫ではなくサーベルタイガーです」

「あ、違う違うただのタイガー…ホワイトタイガーだよ。そんで名前は灯厘って言うんだ」


大きな猫、と言われるとビクッとなり歩みを一瞬止める灯厘、モルジアナがフォローするも灯厘はサーベルタイガーではない
ルシリスがちゃんと訂正すれば
ごろごろと擦り寄る。

そんなとこが、猫っぽいとは俺も思うけどな。


ぶらぶらと、三人と一匹でそんなことを言い合いながら歩く





 

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