Seven Deadly Sins

□8夜
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眩しいほどの明るい場所



『――――…』


『大罪の堕ちた魔女だ、堕ちた魔女が来た』
『堕ちた魔女だ』
『あのお方も何であんな魔女に…』


『………』



真っ黒い衣装に身を包み、金色の冠をターバンの上に乗せる女が一人。
そして、その女が歩けば口々に人々が言う言葉

それに、ニタリと笑みを浮かべ



『―――――』



口が動いたのは見えたが、何も聞こえず

その堕ちた魔女と呼ばれる者の手に持たれている長い杖、どこかで見たことがあるが
目の前の村人の様な者達の後ろから見ているからか、魔女がこちらへと向くと物凄い光と強風に腕で顔を覆うと落ちるような感覚。


そして真っ暗な場所。




『………』



場面が変わったのか、暗く先程の場所とは全く別の場所にすら見えるその場



『―――様…こ…では……』
『……そう……で…しょ…う』
『…で…』



黒い先程の魔女が、白い服の人と話をしているが途切れ途切れで聞き取りづらく
そもそも、向こうの言語とは少し違う様な


…向こう?



『――今日は、見させすぎたわね。おやすみなさい、可愛い可愛い私の我が子…ゆっくりお休み』



顔は見えないが、黒い魔女がそう言うと途端にぐるぐると回るような眩暈。
そして、その眩暈から遠くへと飛ばされるような感覚に驚くと飛び起きた。



「―――!!!」


飛び起きるとそこは見慣れない場所。



「………そうだ、船、か…」



少しすれば頭が起きてきて、思い出せばベッドにまた横になった。
ここ最近良く見る夢、あの女は、その周りの人間…それから見た事のある様な影は誰なんだろうか。

我が子?確かに腹を擦っている様にも見えたが


少しぐったりとした身体を起こそうかとも考えたが、横になったまま目をまた閉じた。





 ― ◆ ―


船上へと上がり、うたた寝をしていたが

潮風と揺れ、髪の調子の悪さに目を細めた。
明るい空を見上げれば、海鳥が飛ぶ

人が忙しなく動く船の上、邪魔にならないよう端によれば海を眺めた。
すると、途端に騒がしくなる船の上と海
海から顔を出したのは、巨大な生き物
確か、南海生物とか言うものだっただろうか



「出たぞー!!」
「右に寄れー!!」

「紅藜様いかがしましょうか」
「三人で出来る?アレ」
「僕だけでもいけるね!!銀にいは見てて!」
「やれやれ…」



声掛けるまでもなく、真っ先に飛び出していった秀嶺。

大口を開けるオオウツボ、その目の前に飛び出して行った秀嶺は袖から鎖鎌を2本




「力を欲す我は眷属 "水"のジン"レヴィ・ア・タン"より生まれし海神水蛇龍が眷属器――…海蛇!!!」




唱え、鎖鎌の柄を合わせれば巨大な1つの大鎌へと変わり
それを鎖で自在に操れば、オオウツボは一瞬にして肉片へと変わった。



「へっへーんもう終わりー!」
「遅い」
「……そうね」

「ええええ!!?だいぶ早かったよう!」
「中々だったよ秀嶺」
「えへへ、ほらぁー!!紅藜様だってこう言ってる!」



船に降り立てば、煌帝国の船は大盛り上がり。
秀嶺の活躍も、銀嶺と鈴嶺はまだまだだと言ったが中々早い。

銀嶺達3兄弟は、元々暗殺や狩猟やそう言った生き物を殺すことを家業にして来た一族の末裔。
それに関しては専門部屋なだけあって、それの右に出る者はいない。だから、それが染み付いているからか手際の良さが求められる

その3兄弟を拾って来て育てた訳だが。



「ありがとうございます、紅藜様と右腕の方々」
「ありがとうございます」

「いいえ。それで、いつ頃あちらには?」

「もう少々、今日の昼には到着致します」



抱きついて来ている秀嶺の頭を撫でながら、礼を言いに来た船長やら乗組員たちにいつ着くのかと問えば
昼頃と言われ、着いたら呼んで欲しいと中へと戻った。


それから揺られることだいぶ、上が騒がしくなりお呼びが掛かった。

身なりをもう一度整え、鈴嶺に手を加えてもらえば外へと出た。



明るい港に、白い鳥が舞う
綺麗な南国の島国、シンドリアへとやっと着いた。

心地の良い潮風に深紅色の髪がふんわりと揺れた。


下には集まる国民やら、国王やら多分この間聞いた八人将達が勢揃い。
ふと、目が合った青い髪の小さい少年。
目を逸らせば、清まし顔で船から降りてくれば作り笑顔で国王の前に、手を合わせ軽く姿勢を下げれば鳴る簪。





「この度は、お招きありがとうございますシンドバッド王」



にっこりと笑えば、向こうも笑い返してくれた。




 

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