ふわふわり
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「…あー、疲れた。次は全快の時にお願いしたいね」
「、はっ、はぁ……!!参り、ました…」
「……強い…!!!」
倒れるゾロさんの眼前で拳を止めれば、一瞬だけ息をつまらせて、それから肩で息をしながら降参の言葉を口にした
その言葉を聞いた私はゾロさんの胸に置いていた足をどけながらバンダナを取る
なんだか清々しい顔をしてるゾロさんに手を差し出すと、白い歯を私に見せながら初めて見せる笑顔で私の手を取った
そのまま後ろに体重をかけて起き上らせる
所々にできた擦り傷が痛む
あー、これ左肩外れてるな
ぶらんぶらんしてる自分の左腕を見ながら人事みたいに考える私は冷静すぎるらしい
私は仰向けになるよう砂浜にそのまま倒れ込んだ
いきなり倒れたことに周囲は明らかにビックリしてるけどどうでもいい
右手で左手を掴んで回したり曲げたり、対処法を取れば痛みと共にはまった感覚
たしか避け方をミスって左肩にストレート直撃した時だったっけか?
まあ片手で十分だったから支障は無かったけど
腹筋で起きあがれば、また麦わらたちはビックリしたみたいだ
その中でルフィだけが目を輝かせてた
そこで能力を解いて、足元に置いてあった刀とさっきルフィに塗った傷薬をゾロさんに手渡す
「擦り傷にはこれ塗って。あとどっか痛いとこは?」
「身体中の痣と頭打った」
「湿布くらいはそっちの船にあるだろうし、頭は後で冷やせばいいね」
「……あんなこと言って悪かったな」
「笑顔といい、どんな心情の変化?貴方負けたよね一応?」
「俺の勘だ、拳を合わせてわかった、お前は悪い奴じゃねえ」
「…馬鹿じゃないの」
「お前こそどんな心情の変化だ?あんなキレてやがったのに」
「途中でどうでもよくなった」
「フン、そうかよ」
また笑顔で、今度は拳を突き出してきたから私も合わしてやる
ていうかこれ女とすることじゃなくないか?
次の瞬間後ろから肩を掴まれた感覚
そんなことをするのは1人しか浮かばなくて、お腹辺りを煙に変えてやればこれまた次の瞬間スゴイスピードで身体が貫通していく
その身体はそのまま前にいたゾロさんにジャストミートに当たった
2人の声にならない悲鳴が聞こえた気がするが気のせいだと決め付ける
ルフィがぶつかった痛みからか、私の肩から手を離したのを見て、私はまた能力をといた
今日はどれだけ能力を使わせるつもりだ
「いってぇぇええ!!!!」
「てめっ、ルフィ、なにすんだ!!!」
「お前、すげーんだな!!やっぱ仲間になれよ!!」
「スルーかよ!?」
「私がちゃんと勝ったでしょ」
「そんなの関係ねー!!」
「せめて次の島まで乗ってけよ!」
「その能力、気になるわね…」
「やっやめろよ、みんな…!」
「その勢いだったら手から炎も出せそうだな」
「あぁ、実際に出せるよ。ほら」
「!!俺よりスーパー、だと…!?」
「私も剣士として一戦交えてみたいですね、ヨホホホ!」
「さすが女神ちゅわーん!」
「本当騒がしいね、貴方達」
「次の島まで乗ってけばいいじゃねぇか」
「…ロビンさんまでなに言い出すの」
「なら黒い女神さん、私達に情報をうってくれないかしら?お客として」
「へぇ、なんの情報?」
「貴方の情報」
「私の?高いよ?」
「明日までの寝床とうちの船のコックさんの美味しい料理、なんてどう?」
「…あはは、今ちょうど腹も減ってるし特別価格だからね?」