日だまりこまり

□8
2ページ/2ページ








「汚い寝顔見せるな」

「はうっ!!」





昼休み、近くの席の女の子とお弁当を一緒に食べた後、机に覆いかぶさるみたいにして寝てた

うーん、眠たい、眠たすぎる

授業中もなんとか耐えたけど危なかったし

そんな時後頭部に衝撃を感じて、そのままおでこを机にぶつける

変な声でた

声の方に視線を向ければ、わかってたけど蛍と山口

また悪どい笑顔浮かべてるし

起き上がってそちらを改めて身体ごと向けば、なにかを投げられて思わずキャッチする

それを見れば炭酸のジュース

たしか新発売で、なんか炭酸が強すぎるって誰かが言ってたっけ





「授業中も寝かけてるのか知らないけど、顔見るに耐えないし、それでも飲んで目覚ませよ」

「そんなにひどかったかな。ていうかその汚い寝顔を見せないためにあぁやって寝てたんだけど」

「ひどかった、あとよだれの跡ついてる」

「嘘!?」

「うん、嘘」

「……………」

「日向!あのツッキーがそれを買うためだけに遠い食堂まで いだっ!!!!!!」

「山口うるさい」

「え、もらっていいの?」

「………眼科行くのよりは安いからあげる。だからもうあんな顔見せないで」

「気をつけまーす、あとありがとね」

「僕のためにしたんだから礼なんていらない」

「ていうか日向、なんでそんなに眠そうなわけ?」

「んーっと、幼なじみの早朝練について行ってたの」

「まだ高校生活始まったばっかなのに早くね!?」

「そうかな?」

「こんなのが幼なじみだったら僕絶対嫌だ」

「うん酷い」

「でも、幼なじみっていつから一緒なんだ?」

「うーん、生まれた頃から?親が仲良かったからね」

「すげー!」

「じゃあ家族ぐるみで旅行とか行ったりすんの?」

「んーん、私の両親、事故で死んじゃって、その幼なじみの家にいま居候してるの」

「!ご、ごめん!」

「え、いいよ!今じゃお母さんが2人になったみたいで幸せだし!あ、今度家おいでよ、幼なじみ共々家族紹介するよ」

「…なんにも持っていかないよ」

「ケーキ持参じゃないと家に入れてあげなーい」

「今度ツッキーと一緒に絶対行くから!………あ"!!!!次の時間てもしかして数1!!?」

「うん、そうだよ」

「やばい、俺当てられるのに全く宿題やってねー!!今からがんばってくる!!!!」

「がんばってねー」

「諦めなよ、山口」

「俺は諦めません!!!」





すごいスピードで戻っていった山口

それを見送りながら私はさっき蛍がくれた炭酸のジュースを飲んでみる

飲んだ瞬間口の中がシュワシュワシュワーってした

鼻がツンてする

思わず噎せそうになったら横から笑い声





「あはは、目が覚めたデショ?」

「かっ確信犯………!」

「僕は好きだけどな、これ」

「うん好きそう」

「……どうせ午前中の授業のノート、ちゃんととれてないんだろ?ほら早く写しなよ」

「え、…あ、なんでそれ、」

「あれだけ頭カクカクしててとれてるなんて逆に思わないから」

「…うん、そうだね」

「ほら休憩時間あと3分しかないよ」

「え、この休み時間中!!?」






























ホカホカ太陽


(ノヤさんノヤさんノヤさん!!!!俺死ぬ、死ねる!!!)
(大丈夫か龍!!!?)








前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ