日だまりこまり

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「じゃあまた明日ね!」

「…じゃあね」

「ばいばい、日向さん!」





あれから、席の周りの女の子とも仲良くなれたりして初日にしてはいい方だと思う

担任の先生の挨拶とか正直あんまり楽しくなかったからボーッとしてたら急に名前を呼ばれてアホな声でそうになった

そしたらいつのまにか私が学級委員をやることになってて、思わず目が点

担任の先生の話を聞いてたら、蛍が私を推薦したらしい

その言葉に隣の席を見ればとってもいい笑顔の蛍がいた

なにかを投げそうになった手を無理矢理抑える


それからまた楽しくない話を少し聞いて今日はとりあえず解散

蛍と山口くんとは教室の入り口で別れてから私は翔陽と待ち合わせてる駐輪場に向かう

今日はまださすがに入部届けは出せないらしくて翔陽が朝からうるさかったっけ

明日朝一できっと出しに行くんだろうなぁ。…私も連れて

でも私誰に出せばいいのか知らないんだけど翔陽は知ってるのかな





「うおぉぉおおおお!!!!!!」

「!うわっ、」

「あ、悪い!お前1年生か!?」

「そうですけど、」

「そうかそうか!!やっぱこの学校選んで良かったわ!」





いきなりの大声でびっくりする

そっちを見れば髪の毛が逆立ってる男子がいた

背だけ見れば同い年か年下

けど背だけで歳は判断しちゃダメだ

私が背が高いからそれは分かってる

でも下手したら翔陽より低いんじゃないかな


その男子はキラキラした瞳で私を見てる。というか見上げられてる

…え?





「えっと、」

「俺は2年3組西谷夕!好きなもんはガリガリ君のソーダ味!よろしくな!!」

「は…、あ、私は1年4組の日向由飴です!好きな食べ物は、林檎飴です」

「好きなもんが林檎飴って!お前、可愛いな!!」

「!かわい…!?」

「だって林檎ならポピュラーだけど林檎飴って、」

「おっお祭りで食べて、キラキラするところとか甘ったるいところが好きなんです」

「別にダメだなんか言ってねーだろ?反対にすんげー可愛いと思うぜ、俺!」





とりあえず、なんだこの人は

こんなことを平気で、それも笑顔で言うって、

翔陽もたまに恥ずかしいことを言うけど、そらは照れながらとか途切れ途切れだったり

私の顔は今絶対顔が赤い

それくらいホントに恥ずかしい

可愛いなんて初めて言われた

胸がうるさくて困る


そんな原因になってる西谷先輩は腕を組んで「この制服だからよりいいんだよな、うん」なんて呟きながら頷いてるんだけど、意味が分からない





「もうちょっと話してたいんだけど、俺今日は早く帰んなきゃいけねーんだよな。あのクソ親父!!んじゃな、日向さん!次逢った時はメアド教えてくれよな!!」

「さっ、さようなら……」





嵐みたいに現れて去っていった西谷先輩

スゴいスピードでチャリを漕がして消えた

なんだか夢みたいな数分間


先輩が消えていった方を見つめてたら翔陽が慌てたように走ってきた

若干汗ばみながら困ったみたいに笑ってる





「ごめん、HRが長引いちゃって。学級委員がなかなか決まらなかったんだ」

「あー、普通はそうだよね」

「え?」

「いやなんにもない!じゃあ帰ろっか」

「うん!」
















































林檎太陽

(やべえよ龍!!やべえよ!!)
(いきなり電話しといてなにお前!?)












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