日だまりこまり
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私の両親は私が小学6年生の時に事故で死んだ
東京のクロの家族に逢いに行った帰りに飲酒運転の車が突っ込んできたらしい
私は後ろで寝てたから後から病院で聞いた
もう宮城のすぐ近くだったから宮城の病院に運ばれたんだけど、お父さんたちは即死。もう息はなかったみたい
私だけは奇跡的に助かって、気がついた時には病院のベッドの上
真っ白いベッドで、側にはお父さんたちの親友の、日向さんたちと翔陽がいた
日向さんたちは目を真っ赤にしてて、なんだか次に言うことが簡単に分かった私
それに、自分で言うのもおかしいかもしれないけど私大好きだったお母さんたちが周りにいなかったしね
やっぱり予想通りの日向さんたちの言葉に、悲しくて涙が出そうだったけどすぐにお父さんの口癖が頭に浮かんで涙は引っ込んだ
泣かない私に、不思議そうに尋ねた翔陽
すぐに日向さんたちに叩かれてたけど
私は笑顔で答える
『だってお父さんが口癖で言ってたじゃん!《いつか死ぬかもしれない。けどそれまでの幸せな思い出を思い出して笑ってくれ。でなきゃ心配で天国に行けないじゃないか、涙なんか俺のために流すな》って!』
一語一句覚えてる
柔らかく笑うお父さんとお母さん
綺麗事みたいだけど、私の中でお父さんたちは生きてるんだって実感する
日向さんたちは私の言葉に目を見開いてから、少し涙を目に浮かべながらも微笑んだ
思い出してくれたみたい
『…忘れてたよ、ありがとう由飴ちゃん』
『それでね、私たち話したんだけど、家に来たらどうかしら?』
『え?』
『東京の黒尾さん?もそう言ってくれたんだけど、勝手ながら断らせてもらったわ。宮城の方がいいと思うし、由飴ちゃんはあの子たちの子供なんだもの!困った時はたくさん助けてもらった、次は私たちの番よ』
『ひなた、さん………』
『どうだい?もし嫌だっていうんなら今からでも連絡するよ』
『由飴!!俺と一緒に住もうよ!』
もう一回お父さんたちの笑顔が頭に浮かんだ
たくさん愛されてたんだね
日向さんたちもお父さんたちと同じように笑ってる
翔陽の笑顔特に輝いてた
本当に太陽みたい
なんだか目頭が熱くなってきたけど気のせいだと決めつける
『はい、ッお願いします!!』
これが始まり