おさるのマーチ

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到着したのは岩がごろごろと転がる砂漠

降り立つ時に見えたけど、オアシスの周りに発達した都市はあるらしい

父さんに貰った旧型のスカウターを装着すれば、この星の住民のだいたいの戦闘力が出る

変な武器さえ持ってなければ、余裕で侵略できる数値だ

でも、ただでさえ初めての侵略に加えて、1人だ。それに中惑星ほどの大きさもあるし

きっと父さんのことだから、そんな私でも大丈夫な星にしてくれたんだろうけど、それでも不安な気持ちは拭えない

ポッドから出れば、むっとした暑さと共に私たちに必要な酸素が薄いことが分かる

けれど、惑星ベジータよりも重力は軽いみたい


遠くで鐘ががんがんと鳴らされる音が聞こえる

数値がまだ高い連中が1箇所に集まってきてるから、私が来たことに気づいているんだろう

ある程度の高さまで浮き上がれば、集まってきている方向の地平線の果てに緑が見える

これなら飛んでいけば直ぐに着くだろう

ポッドが降り立つ時にできたクレーターは意外に大きくて驚いた

私は、生き残るんだ






























侵略には5日もかかってしまった

見た目が私たちと同じような形じゃなかったから躊躇なくやれたのにこれだ

いくら酸素が薄くてスタミナが続かないからといって、重力が軽い分いつもより楽に動けたからそんなことは言い訳にもならない

まだまだ私の力不足を実感

父さん達なら結局たいした文明発達もなくて武器も弱かったから1日程度で終わったと思う


ここの食べ物は口に合わないけれど、生きるためには仕方がない

サイヤ人は燃費が悪いから困る

この星の住人達を食べてみたりもしたけど、単純に美味しくなかったからやめた

変なウイルスにかからないか心配したけど、よく考えたら小さい頃に私たちの星にある菌以外身体が受け付けなくなるワクチンを打ってたのを思い出して安心する

あのワクチン、数十日も毎日しなくちゃいけなかったから面倒だったなあ

この星で父さん達を待とうか迷ったけれども、5日経って迎えがないということは、そういうことなんだろう

悲しくない訳はないけれども、だからこそ生きなくては駄目だと思った

もし仮にそうじゃなかったとしても、きっと父さん達なら私を見つけてくれる

そのためにも私は強くならなくてはいけなかった

乗ってきたポッドで、周りの星のだいたいの戦闘力を見て、次の星を探す

ここから2日でつく星ならいけそうだ

次は重力も惑星ベジータより重いみたい

5日もいれば、ここの空気の薄さも感じなくなったし、いい感じだと思う


この星の権力ある奴らが必死に守ろうとしてたお宝は、希少な鉱石

それも全部ポッドに詰め込んだ

さてこれで準備完了だ

ポッドに乗り込んで、ガラス越しにまた空を見る

この星の空はいつも茜色だけれど、次はどんな空なんだろう














(母さんの作った料理が恋しい)







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