狩人

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さて、今は無事に二次試験が終わって飛行船


軽く二次試験を振り返ってみようと思う



迷うことなく到着できた二次試験会場


12時ちょうどに扉が開かれて、これもロボットかと思うくらい大きなブハラさんと美人なメンチさんに迎え入れられてお題として告げられたのは豚の丸焼き


結論から言おう


豚が本物みたいで怖すぎた


向かってくる豚に、これはイベントだから大丈夫と言い聞かせて目を瞑ってグーパンチしてみたら、白目にさせて倒れた豚


たしかグレートスタンプ


さすがだ。頭に触れられたら止まる仕掛けなんだ


試しに牙を持って引きずってみると、ぬいぐるみみたいに軽かった


す!!ご!!!い!!!!!


誰かが消しきれてなかった火を近くに落ちてる枯葉とかで大きくして焼いてみる


ロボットなのに焼いてよかったのかな?なんて今では思うけど、いい匂いがしてたその時はなんにも考えてなかったし、爆発もしなかったからよかった


焼いた豚のぬいぐるみを持ってブハラさんのところに行けば、一口でペロリと食べられた豚


やっぱりブハラさんはロボットみたいだ


「君みたいな可愛い子が作ってくれたから、もっと美味しく感じたよ〜」って言われたけど、たぶんロボットのテンプレコメントだ


ロボットでなきゃ、原作通りあんだけの大きい豚を食べれるはずがないし


あ、まず豚がロボットだからロボットじゃなきゃだめなのか



その次はお題はやっぱりメンチさんの寿司でした


みんな寿司を知らない演技が上手すぎて、私も思わず「え、え〜!?お寿司〜!?なにそれ〜〜!?」なんて言ってみたけど大根役者もびっくりな棒読みで言ってすぐに恥ずかしくなった


体が小さくなった名探偵の分かりやすすぎる演技みたいだ


あれれ〜?なに言ってるのお姉さん〜?


時計型麻酔銃で撃たれそうだからやめておこうっと


途中落ち込むヒソカや試行錯誤する寿司(仮)を見れたから、割と楽しめた気がする


ちなみに、私の父は有名なお寿司屋さんを経営していて、お寿司ならドンと来いだ


小さい頃から父にうるさく習ったし、そんな父のお墨付きをもらっているから、これだけは胸を張って作れる


もし私が本当にハンター試験を受けれたら絶対受かるのになあなんて漫画を見ながら何度も考えた


さあ来ましたついにとうとう!!!


どうせ原作通りだから落ちるだろうが、夢見てたメンチさんへのお寿司献上シーンを少しでも味わいたい


ということで、ハンゾーが寿司をばらしてしまう少し前に川に向かう


父さんと川に手づかみでよく魚を取りに行ってたから、捕まえるのには苦労しなかった


浅瀬に入って、気配を殺して待つんだけど、いつもは時間がかかるそれも今日はなんだかすんなり捕れたから驚き


まるで私なんていないみたいに魚が寄ってきた


まあそんなことは置いておいて、無事にネタを捌いて用意してくれてた酢飯の味をチェックしてから寿司を握る


本当なら酢飯に私の隠し味の昆布茶を入れたかったんだけど、棚を漁ってもなかったから諦めた


見た目は白身っぽいし、味見してみたら川魚特有の臭みもあまりしなかったからいけると思う


緊張しながらメンチさんのところに2貫お皿に乗せて持っていけば、私を見た瞬間メンチさんも緊張したように椅子に座り直してた


寿司をちゃんと持ってきたやつ一号だからだろう






「おっ、お願いします」


「・・・・・・見た目は完璧ね。そっそれじゃあ頂くわ。・・・・・・!・・・・・・・・・・・・合格よ」


「!ありがとうございます」





以上会話終了


まあ私のコミュニケーションスキルならこれが限界だ


むしろ話せたことを褒めて欲しい


試験が始まって初めて話したせいでなかなか声が出なかったことはバレていないだろうか


寿司を食べたあと、少し無言で俯いたあと合格だと教えてくれたメンチさん


え?合格出していいの?あれ?


思わず止まりそうになるが、後ろに並んでいる人がいるのを思い出して慌ててさっきの魚を捌いたところまで戻る


とりあえず端っこで、お腹が減ったから自分用に寿司を握って食べることにする


やっぱり父さんのお寿司の方が美味しい







「は、はあ〜〜!!!緊張した!!!!!初めて女の子と話すだけでこんなに緊張したし、目も合わせられなかったわ!!なんなのよあの子、綺麗すぎない?サトツさんが言ってた見たこともない美貌の子ってあの子よね、ブハラ!?お寿司も美味しいし、私あんなに綺麗な子が握ったお寿司食べれたのね!もっと話したかったのに!!」


「ねえメンチ、僕にも残った1貫ちょうだいよ」


「だ!!め!!!あげるわけないでしょ!!!」


「ケチだなあ、メンチ。でも、ギタラクルって受験者も握り方はてんでだめだったけど、スシは知ってるみたいだったね〜」





























そして今に至る


あれから、本当に空からネテロさん落ちてきたし、合格者私だけだし、原作通り崖に行って普通にみんな飛び降りていくし


ひとつ言えるのは、崖から飛び降りるのは本当に無理だからお寿司で受かっておいてよかった


もしかしたら、崖から飛び降りるのさすがにコイツ無理そうだっていうメンチさんの優しさだったかもしれない


そういえば、ネテロさんが飛び降りてきた時、私と目が合った瞬間驚いたような顔をしてた


コイツ寿司握れんの?かコイツ全然関係ないTシャツ着てるじゃんって思われたんだと思う


飛行船からの眺めは森ばっかりで、とんだド田舎に行かされるみたいだ


明日の授業、出席はとる先生だっけ?


欠伸をかみ締めながら、そろそろ寝ようかなんて考える


こういう時、身軽に一泊できるから一人暮らしはいいよね


今日の深夜アニメは予約してたっけ






「綺麗なお姉さん!こんな所で何してるの?」


「ばっ!!!!!なっ何話しかけてんだよ!!!?」





ん?私?


綺麗なお姉さんとか絶対私じゃない


ここで振り向いたら自意識過剰がすごいからそのまま外を覗いてたら、次は肩を叩かれながらもう一度お姉さんと声をかけられた


ひえええなんて心の中で思いながら振り向けば、ゴンとキルア


さすが主人公のレイヤーさん、コミュニケーションスキルが高すぎる





「やっと振り向いてくれたね!俺、お姉さんと話してみたかったんだ!1番なんてすごいし、ミトさんより綺麗だね!俺はゴン=フリークス、お姉さんは?」


「わ、・・・私はなまえ」


「なまえさんだね。キルアもレオリオも皆気になるって言うのに、誰も話しかけようとしないんだ!」


「そりゃそうだろ!!!だっ、だって俺たちなんかが話しかけたらよ・・・・・・」


「なんでそういうこと言うの、キルア!」


「ゴン、くん・・・いいよ、慣れてるから」


「ほーら!キルアのせいだからね!?」






いいよ!!本当に慣れてるし!!!!


逆に今までのことを考えたら、こんな私に話しかけようとするゴンくんに着いてきてくれることだけで嬉しい


幼いからこその無邪気で話しかけてくれてるのかな


きっと小学校とか学校でも人気者なんだろう


久しぶりに親以外と目が合った気がする







「だーっ!!!!!!!俺が悪かったよ!!!!俺達なんかが話しかけちゃいけねーと思ったんだよ!!!!」


「なんで話しかけちゃだめなの?話しかけたかったんでしょ?」


「お前には一生分かんねーだろうよ!!」


「ひどいよキルア!」


「・・・・・・おっ、俺はキルア。よろしく」


「キルアくん、よろしくね」


「!おう!」


「じゃあ俺たち探検の続きに行くから、またねなまえさん!試験、頑張ろうね!」


「待てよゴン!・・・じゃっ、じゃあ、オヤスミナサイ」







ぎこちなくお辞儀して、ゴンくんのほうに走っていったキルアくん


なんか、本当にリアルだなあ

















お人形さん遊び

(いやいや、まさかね)






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