狩人
□２
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さて始まりました一次試験
え、本当に始まる感じなの？え？
頭にはクエスチョンマークしか浮かばない
さっきこれまた激似のサトツさんレイヤーの方が原作通り現れて、これまた原作通りに進んでいく
最初は歩いていたのが、早歩き、今じゃただのほぼ全力疾走だ
え、ヒッキーの私には絶対無理。学校でやった体力テストの結果の紙はその日のうちに抹消した私だよ？
途中、リタイア用の出入口とか係員さんが立ってないか探したけど、そんなもの無かった。この世は無情なりけり
て、思ってたのに
気がつけばたぶん１時間くらい走れてる
たぶん体感的にアニメ２話分くらいだから合ってるはず
ちなみにちゃんとオープニングから全部飛ばさずに見る派です
また頭にクエスチョンマーク
はて？私はいつのまにこんなに体力が？
昨日やりこんだ格闘ゲー厶のおかげかもしれない
なら、乙ゲーをやりこんだらコミュニケーションスキルもつくだろうかって考えてみたけど、阿呆らしすぎたからすぐやめた
辺りを見渡してみると、主人公４人組レイヤーさんがやっぱりいた
いっぱいいそうなのに、いるのはあの１組だけみたい
そのキャラクターのコスプレの頂点しか来れないのかな？
なら他の人の完成度も納得
これがもしトリップものの夢小説とかだったら今頃私は主人公組に絡まれてるんだろうけど、ご生憎さま
そんなピンクであまーーーーい展開はありませんでした
ただ相変わらず視線は感じる
さっきのヒソカさんと次はギタラクルもといイルミさんレイヤー
いや、増えんでええねんけど
思わず関西弁でつっこんでみた
足音は聞こえないけど、カタカタカタカタって音は聞こえる
普通逆でしょ、ただのホラーでしかない
私の周り２メートルには相変わらず人は寄ってきてくれない
決めた。ただ無心で走ろう
どうせすぐに終わりは来る
それか先に私の体力が尽きると思う
たまたまポケットに入ってたlPodにイヤホンを刺して耳に入れる
流すのはもちろん、とっとこハム子のオープニングエンドレス
走るのだ！まだまだ道は続くでちゅ！
気がつけば、長い道のりを抜けて湿地帯
ハム子をどれだけエンドレスしたか分からないくらい走った
途中からオープニングアニメの映像まで頭に浮かんできた
でも息切れひとつしていなかった私は一体全体どうしたんだろう
はて、地面がランニングマシンみたいに動くやつだったのかもしれない
引きこもりの私にそんな体力ある筈ないし
それとも女子大生の急成長？はたまた私ここに来る前にドーピングでもキメてきたの？
･･･公式イベントのためならやるかもしれない、私なら
ここまで来たら合格した後のゴンとイルミのレイヤーさんのくだりまで見たいなあ
あ、めんどくさいからレイヤーさん付けるのやめよう
サトツさんとヒソカのイベントはもちろんあったし、ちゃんとイヤホンを外して最前列で見させてもらった
飛んでくるトランプも、全部がリアルでびっくり
来る前に練習とかしてたのかな
思わず賞賛の拍手を送ろうとしたけど、周りがそんな空気じゃなさすぎてやめた
え、これより完成度あげてこないと拍手なんてしてやらない的な感じですか？
素人目じゃ完全完璧大絶賛だったんだけど、プロの道は厳しいらしい
あとあのお猿のくだりもあったんだけど、そのお猿もそれに群がるカラスも全部が本当に本物みたいで怖くなった
なにもそこまで凝らなくていいんじゃない･･･？
ていうかこんな湿地帯日本のどこにあったんだろう
探してきた人すごいなあ
独特の植物とか動物の臭いがする湿地帯をさっきみたいに走っていく
霧で前の人を見失いそうだから、サトツさんの真後ろを走るようにする
そうしたらゴンとキルアのくだりも見れたのでご馳走です
声まで似てるって、本当すごいな
そういえばそのくだり前から、首筋がぴりつくような寒気がしてたから空調まで設定して皆にも体感してもらおうとしてたのかな
フッ、ヒソカめ･･･殺気がだだ漏れだぜ
こーんなこと言ってみたかったなあ！！
ていうかもうこれハンター試験を体感してみようじゃなくて原作忠実再現アトラクションみたい
まあ私はモブ枠参加なので、そんな設定関係ないけど
原作通り大きいトカゲ(規定外)やら大きいトンボ(規定外)やらに食べられたりしていくほかの受験者さん達
あれロボットだよね？このイベントいくらお金かけてるんだろう
あの中に入ったら、パンパカパーン貴方は不合格となりましたのでこれにてイベント体験終了でーすお出口はあちらでーすっていうコースかな
少し前の私ならそうしてたかもしれないけど、私にはもう最後までイベントを楽しむという目標ができたからやめておく
ゴンが逆走していって、後ろから本当に血の匂いがした
思わず過敏に反応してしまう
え？そんなところまで凝らなくていいんじゃない･･･？
二度目の引き気味の疑問が頭に浮かぶ
これもたぶん鉄を使ったりした演出なんだろうけど、こんな遠くまで匂わせるほどじゃなくていいじゃん
匂いに、大きく肩を揺らしてしまったからか、少し前を走ってたキルアがこちらを見た気がする
まあ弾かれたようにすぐ目線を戻されたからたぶん気のせいだ
誰とも喋れないせいで頭の中だけ独り言でいっぱいになる
仕方がないからまたイヤホンを耳に入れて歌を聴いておくことにした
負けないで！もう少し！ゴールは近づいているのだ！
ハム子の主張が激しすぎる