愛をおくれよ

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あれから、私たちはお日さま園に

全部が懐かしく感じた

それから数日もたたないうちに響さんから電話が来て、私たちはFFI、通称フットボールフロンティアインターナショナルに出場

私とリュウジとヒロトが選ばれた

このメンバーが選ばれた時点で分かるだろ?

私たちのチームは簡単に優勝

ほかのメンバーが選ばれなかったのは、相手チームが可哀想+相手を殺しそうという理由らしい

まあたしかに選ばれた3人はまだ自制がきくからな

大会全試合、無失点に大量得点

世界中でニュースになって私達は超有名人扱いだ

おかげで世界中に友達も増えたし、なかなか楽しかった
(ほかの奴らはただ崇拝者が増えただけだって言う)


そんなこんなで私達元エイリア学園は地域の適当な学校に振り分けられた………筈だった

くじで行く学校を決められ、私はなんの因果か雷門に

さすがに雷門と書かれた紙を渡された瞬間破り捨てた

このくじで決まるはずだったのに、周りのほとんどが私と同じ学校がいいだなんて駄々をこねまくる事態

けれど優しい雷門理事長が全員の転入を受け入れてくれた

学校壊したのは私達なのにな

そんなこんなであの人数が一気に3学年に散らばった


転入して数週間

いつのまにか全国のサッカー選手がうちのサッカー部目当てに転入してきていた

あれ?ここ中学だよな?

なんのマンモス校だ





「おい沙奈!!聞いてんのかよ!!!!」

「…………現実逃避してた。なんの話だったっけか?」

「サッカーやろうぜ!俺、沙奈のシュート受けたいんだ!!」

「晴矢と円堂で組むな、暑苦しい。ていうか休み時間毎にわざわざ1年の教室に来るんじゃない、周りの視線が痛いだろ」

「気のせいだ!!」

「ふざけんな」

「でも、驚いたよね、沙奈が1年生なんて」

「兄さんが2年だろ?てか今更だな、春奈」

「だって私、ずっと年上だと思ってたんだもん!」

「よく言われる」

「てことでサッカーしようぜ、沙奈!!」

「黙れよ、日本語の勉強からしてこい。それにしないなんて言ってないだろ?今はテスト前だから終わったらって言ってんだろ」

「沙奈はなにもせずに天才なわけじゃなくて、ちゃんと皆みたいに勉強してるからほんとに僕偉いと思うんだよね!ほんとは何もしなくてもできるのに!!」

「どっから湧いてきたんだ、ヒロト」

「もう!ここでは先輩後輩なんだから敬語使ってって言ってるじゃないか!」

「黙れ変態」

「沙奈!今日も綺麗だよ!まるで天から舞い降りた天使みたいだ!!」

「フィディオも黙れ。お前らさっきからいきなり現れるな、あのサッカーボール使ってるのか?なんなんだ?」

「沙奈が珍しくご乱心だな!」

「ていうか、なんで毎日そんなクサイセリフを言ってくるのに同じ言葉が出ないんだ」

「沙奈への気持ちが溢れてるからだよ」

「でもいきなり留学してくるなんて、びっくりしたぜ!」

「沙奈に一目惚れしたからね!」

「イタリア人怖い」

「エイリア学園の映像は全世界に報道されてて、そこで一目惚れしたんだ!まさか世界の舞台で逢えるなんて思ってなかったから僕は運命だと思ったね」

「これ以上ヒロト属性は増えてほしくないんだ」

「本人前にして言う沙奈も大好きだよ」

「それのことだ」

「あ、近々ディラン達も来るって言ってたよ?」

「ジーザス」

「沙奈!さっきの授業のここ教えてくれ!」

「ん?あの授業でどこが分からなかったんだ、成神?」

「ここの問4!てか、まじでさっきのナイスだったんだけど」

「ほんとそれよね成神くん!」

「?さっきの授業なにかあったのか?」

「あ、円堂さん、こんにちわ!いやね、難しい問題スラスラ解いてっちゃう沙奈に危機感覚えたらしい教師が、その教えてた範囲の超絶むずい問題持ってきて沙奈に解けるか?って挑発したんスよ!」

「そしたら沙奈、時間はやっぱりかかっちゃいましたけど見事解いちゃって、その先生顔真っ赤にして出て行っちゃったんです、キャプテン!」

「やっぱり沙奈伝説はどこ行ってもあんだな」

「沙奈伝説ってなんだ、沙奈伝説って」

「南雲くん!!ぜひ僕に教えてほしいな!!!」

「シャーペンとメモ構えるんじゃない。晴矢をお菓子で釣るな、フィディオ」

「ていうかたしか成神くんって帝国だったよね?なんでここに転校してきてるの?」

「鬼道さんとか佐久間さんとか源田さんとか、皆こっちに転校しちゃって寂しいッスもん!それにあの恐怖で日本中を包んだと思ったら次の瞬間世界一になった沙奈たちエイリア学園のメンバーがサッカー部に入ったって聞いて、もういてもたってもいれなくなったんス!」

「たしかに沙奈が転校してくるって決まってから、マンモス校が更にマンモス校になったよね!全国、全世界から転入生が来たもん!」

「理事長もウハウハだね」

「それは言っちゃだめだろ、ヒロト」

「最初はあのジェネシスキャプテンてどんな奴だろってビビってたけど、すぐにいい奴だって分かったし、それもあるな、たぶん!」

「いや、沙奈はFFIの時からいい奴だったぜ!サーフィンもうめえしな!なっ、沙奈?」

「こんにちは、綱海さん。なんでこの学校の人は、こう、神出鬼没なんでしょうね」

「?しんしゅ、ぼつ?」

「晴矢は黙っとけ」

「うん、晴矢ならこういうと思ったよ」

「しんしゅつちぼつってなんだ、ヒロト?」

「そんな円堂くんも可愛いけど聞かなかったことにするね!!」

「んでだ!話は戻すけどよ、沙奈はいい奴だぜ?そりゃ目つきは鋭い時もあるし、言葉もきつい時あるけどよ、全部どっかに優しさがあるっつーか…」

「よし分かったからお黙りください」

「あ、沙奈、照れてるの?照れてるんだね?」

「…リュージ、」




ガラガラガラッ




「呼んだ、沙奈?」

「なんで!?!?!?」





目の前で笑顔を浮かべているフィディオにイライラして、リュージの名前を呟けば、すぐに開いた教室の扉

周りのメンバーは全力でびっくりしてた

私が名前を呼べば、すぐに現れるリュージ

エイリア学園時代のくせがぬけていないみたいだ

すぐに現れる理屈は、…知るのが怖いから聞いてない


私がフィディオに目線をやれば、リュージは女子みたいにオーケーマークを指で作って、フィディオを教室から強制退場させていった

途中に聞こえたフィディオの叫び声はシャットダウン

リュージがどこに連れていくのかは知らないし知りたくもない

見慣れてる晴矢とヒロトは笑顔で手を振っていて、ほかのメンバーは見て見ぬふりをしていた

私は、成神を教えていた手が止まっているのに気がついて、また手を動かせ始める





「あ、思い出した!俺、沙奈に勉強教えてもらおうと思ってこの教室来たんだよ!!」

「あ、そうだったんですか」

「でも今忙しいみたいだな」

「放課後でよければ教えますよ」

「放課後はサッカーするんだ!!!」

「話を最初に戻すな。…あ、戻さないでください」

「今更感満載の敬語だね」

「つか、なんで綱海さん、沙奈に教えてもらうんだ?同じクラスの成神は分かるけど、アンタ3年だろ?」

「ほかの先生より沙奈の方が分かりやすいからな!沙奈のおかげで、この前やっと絶対値ってのが分かったぜ!」

「それたしか俺達この前やったよな、音無?」

「そこは言っちゃダメだよ、成神くん!」

「絶対値ってあれだろ!=がつく式!」

「もう1度リュージ呼ぶか、晴矢?」

「知らないのに調子乗りましたごめんなさい」

「あ、沙奈!お兄ちゃんも一緒に勉強したいって言ってたよ?」

「有人が?」

「なんか、沙奈と勉強したら集中できるんだって!」


「(絶対嘘でしょ、春奈ちゃん!?僕の大事な沙奈を鬼道くんなんかにあげないよ!!??)」

「(私は全力でお兄ちゃんの応援してるだけです!!そうすれば将来沙奈は家族に……!)」

「(結局は自分のためなんて…!!なんて恐ろしい子!!!)」


「お前らなに百面相してるんだ」





急に始まった春奈とヒロトの百面相

それ見て綱海さんと成神は爆笑してる

晴矢はヒロトの顔を写真撮ってるし、円堂は持ってきてたサッカーボールでリフティングしだした

自由すぎかよ、こいつら


ここで何気なくスケジュール帳を見る

あ、忘れてた





「あ、綱海さんすみません。今日予定が入ってたのを忘れてました。明日でもいいですか?」

「俺は教えてくれるならいつでもいいぜ!」

「沙奈!やっとサッカーする気になってくれたのか!!?」

「違います。豪炎寺さんとスポーツショップ行く約束してたのを忘れてたんです」

「アイツにラストもっていかれるのかよ!!!!!?!?」



























ヒカリがほしい

(なにがもっていかれるんだ?)








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