short story

□ripetere
1ページ/5ページ

また、繰り返すのか。

あの時の過ちをーーー…。


 ◆ 


「嶺二!これ見てよ!」

目をキラキラと輝かせながら、一つの書類を持って、愛音は僕のところへきた。

「ん〜?どうしたのアイネ?…って、なーにこれ?」

それは、ドラマのオーディションの書類だった。

「これ、一緒に受けようよ嶺二!」

書類を見てみると、丁度受けようか考えていたものだった。

「うん!一緒に受けようアイネ!!…た・だ・し、ぜっっったい負けないよっ☆」

「僕だって負けないから!絶対勝ち取るよ嶺二!…だから、今日からは、心友だけど、ライバルだからね!!」

「おっし!かかってこいやー!!」


……なんて言ってるけど、実際愛音と戦うなんて、それこそ勝ち目の無いようなものだ。

何度か愛音と同じオーディションを受けてはいるが、悉く愛音に役を取られている。

でも、愛音は純粋にオーディションを…いや、演じることを楽しんでいるからこそ、こうやって僕に一緒に受けないかと誘ってくるのだ。

僕にはそれが羨ましくて、











 
……少し、妬ましかったんだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ