short story
□chiusura f.
1ページ/2ページ
「また、また駄目だったのです…」
いつものように、泣きながら、羽入は言った。
「…もう嫌よ…。もう、終わりにしましょう…」
「あぅあぅあぅ…駄目なのですよ梨花…。またすぐ逢えますですから…」
意識が遠退く。
私の身体は、私の意志に関係無く次の世界へと向かおうとしている。
「…いや、嫌よ!やめてよ羽入!!もうこれ以上皆が死ぬのを見たくないの!!!!」
今回だって、また詩音が……。
圭一やレナ、詩音が疑心暗鬼に取り付かれなくても、沙都子の叔父がくる。
どうせ皆死んでしまう。
「もう誰の死ぬところを見たくないの!!!!…私は…私はただ、皆と平和に暮らしたいだけなの!!!!!!!!!!」
「梨花……大丈夫ですから……また、逢えますですから……」
羽入が、悲しそうな顔で言う。
「嫌…もう、この運命の袋小路に閉じ込められるのは……嫌ぁぁぁぁ!!!!」
私の意識は、完全に途切れた。