捧げもの
□デート
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注)マリアスカートです。約束についてはとりあえず明記してないので。ご自由に(多用してるのに決めてないとか…すいません)
『デート』
「じゃあ行こうか、マイスウィーテスト」
そう言ってアジアンはマリアローズの手を取った。が、握り返しこそしてくるものの、彼女は前に進もうとしない。
「ね、ねぇ。ホントにこの恰好で行くの?……やっぱりやめない?」
「何言ってるんダイ、マリア。とっても可愛いじゃないか」
「でも――」
「約束したよネ」
「……っ!」
「フフッ、大丈夫。似合ってるヨ」
「そういう問題じゃない!」
しかし、反論こそするものの「約束」という単語に負け、彼女は渋々と玄関へと向かい始めた。
「本当に今日だけだからね。いい、分かった?」
「分かってるヨ、ハニー。今日一日キミのそんな姿が見られるだけで充分サ」
懸命にも、「まずは今日一日」と言うのだけはさりげなく避ける。
代わりにアジアンはもう一度マリアローズに「可愛いヨ」と振り返って言った。
後ろからは、
「……ありがと」
そう小さく、小さく聞こえた。