薔薇の花束
□ローズ
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「マリアローズ」
名前を呼ばれながら手渡されたのは一輪の薔薇。
「マリアの名前と同じ花なのよ」
顔を上げると父と母の笑顔が目に映る。
不思議そうに首を傾げていると母は笑って説明を重ねてくれた。
「そうね。簡単に言うとそれはマリアの花かしら?」
「僕の……花?」
「ええ」
自分の花だというのが何となく嬉しくてマリアローズが笑うと、それにつられてか父と母も嬉しそうな顔をしていた――。
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