捧げもの
□騎士と薔薇と……野次馬達
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「……居るんだろう!好い加減出てこいっ、ストーカー!」
良く晴れた気持ちのいい日の午後。鉄鎖の憩い塲で何かずっと見られているような視線を感じた。
最近はストーカーがいるのかいないのか何となく分かるようになってきた。でもこれって、なんだか便利なような悲しいような……。
「よく分かったネ、マリア。愛し合っているから何か不思議な力が働いているのかな?でも残念ながら一つだけ間違っていることがあるヨ。ボクがしてるのはストーカーじゃなくて、キミを守る護衛――騎士の役割だって……」
「誰もきみとなんかと愛し合ってないから。何寝ぼけたこと言ってるの。それとももしかして寝てたい?いいよ、一生永眠させてあげる。今すぐにね!」
この変態は何を言っても聞かないだろう。そう思って永眠の手助けにと篭手から矢を発射したのに、アジアンはあっさりとそれを避けてしまった。
「っくそ、避けるな馬鹿!大人しくくらえ」
大体なんでちょっと呼んでみたら本当にすぐに現れたりストーカーも認めたりするんだ。ちなみに本人はストーカーって言葉は否定しているが、やっていることは間違いなくストーカーだ。それに僕、守ってなんて頼んだ覚えはないし騎士なんか要らないし。とにかく、さすがにもううんざりなんだ。
しかしだからと言ってアジアンがやめてくれるはずもなく。
「アジアン、ホントにもうやめてくれない?」
一応ストレートにお願いしてみたがあっさり却下された。どころか今回はそれだけでは終わらなかった。
「何を言ってるんだいマリア!考えてもごらん、今ボクがキミの護衛をやめたらキミはもっと多くの輩に襲われてしまうんだヨ!そんなの、ボクが許さない」
「いや、さすがにそんなことないから。それに僕だって自分のことぐらい自分で何とかするし」
「甘い、甘いヨマリア!」
そう言って――