とある科学の万物支配
□プロローグ
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学園都市。
東京の西側、3分の1程を利用したこの巨大な街は、230万もの人口の実に8割を学生が占める。
しかしこの学園都市、ただの巨大な学校の集合体ではない。
というのも
ここ、学園都市では超能力の開発が行われているのだ。
―そう、「超能力」だ。
「時間割(カリキュラム)」と呼ばれる、授業の形をとった脳の開発プログラムを受けた学生の、その多くは、一人に一つ、超能力―念動力やテレポート、風を操る力に発電、ベクトルの操作など、その種類は実に多彩だ―を使えるようになる。
能力は、扱える力の大きさ、干渉できる範囲、能力の精密さを測る「身体検査(システムスキャン)」によって、LEVEL0(無能力者)に始まり、LEVEL1(低能力者)LEVEL2(異能力者)LEVEL3(強能力者)LEVEL4(大能力者)、そして学園都市に七人しかいない、軍隊と渡り合う程の力を持つLEVEL5(超能力者)の六段階に分けられる。
そして、人口の残り2割の内、教員以外の殆どは研究者である。
彼等は学生のデータを取り、超能力を科学の発展に活かす研究をしている、というわけだ。
そして、この学園都市が他と違う点は、その研究により、全世界のそれ以外の地域との科学技術の差が20〜30年分ほどある、ということだ。
そんな学園都市で、この物語は始まる。