海賊と王女

□第二話
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辺りは少し暗くなり、空は黄昏の色へと変わった。
ゴーンとすぐ近くの教会から5時を知らせる鐘の音が辺りに響いた。


「ヤバい!もう5時じゃないか!!」

リヒトは少し焦ったように言い、ルチアに手を差し出す。

「ほら、もう帰ろう。またミラに怒られるぞ。」


さっきの恐怖と痛みを思い出したのか、リヒトは顔を青くし、あたふたしながら言う。


「そうだね」


ルチアは腫れた目を細め、ニコッと笑い、差し出された手を握り、


「帰ろうか」と小さく答えた。




 
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