中編
□走れ、走れ。
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部活の帰り、俺はちょうどあっちも部活の帰りだったのだろう、メイに呼び止められた。
俺とメイは、家が隣というのもあって、メイの表情をみて、何か話があることがわかった。
「ねぇリュー、ケネディってあんなに表情豊かだっけ?全然印象違ったけど…」
やっぱりか、と俺は思った。
「いや、俺もあんなに笑うのは初めてみた。3年間もおんなじクラスでダチやってんのにだぜ?」
「モエミもすごく楽しそうだったもの。二人とも、なんかお似合いって感じよね」
「あぁ。俺も思った!ってかレオンは絶対モエミのこと好きだよな!!!」
「だよね。ならさ……」
メイはニヤッといたずらを思い付いた悪ガキのように笑った。
だけど、それは俺に言えたことではないだろう。きっと俺も今メイと同じ顔をしてるはずだ。
―――かくして、俺とメイは名付けて「レオンとモエミをくっつけよう同盟」を結成したのだった。
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