青空の下を君と歩く。


□「私は、
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ざっ、ざっ








ん?
あれ、もしかして…







私は、今歩いてるところから
先ほど見つけた目的のところまで、息が切れるほど思い切り走った


あと、ちょっと……!

















…ガッ




あ、やばい



そう思った頃には時遅く、
ドンッっとぶつかってしまい、"彼"は同時に


「うわっ」


と、驚いた声を出した。



私はぶつかったあと、彼の服にしがみつこうと思ったけど
それは彼に失礼だと、とっさの冷静な判断をしたため
そのまま地面に手をついた



あ、痛い。手がジンジンする…





振り向いた彼はやっぱり

夏目君だった。







「桜奈さん!?どうしたの!?大丈夫!?」



!と?が多すぎる
…それぐらいびっくりしていた。




「怪我は?」

いきなりの事でも、彼は紳士。



『ない。大丈夫』


私が作り笑顔で言った素っ気ない返事だったけど、それだけで、彼は笑顔になった





『今から露神様のところに行くの?』

「ああ。桜奈さんも?」

『うん』

「なら、一緒に行こう」






『うん!行く!!』


大声でそう言ってしまったものだから、夏目君はちょっと目を丸くして、その後すぐに声を出して笑った。




私が2、3歩歩いた時に
彼は後ろから





「桜奈さん、これは?」



そう言った夏目君が持っていたのは、




『あ、忘れてた』






転んだときにぐちゃぐちゃになった、七辻屋の饅頭だった



(あ〜、もったいない)
(それは私が食べてやろう)
(ニャンコ先生!?)

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