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□邂逅の熱
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──くらい。
「…いやだ……いやだっ…」
ただただ、身体を蝕むような鋭い音が鳴り響く。
「─────。」
この人が何を言っているのかなんて、もうそんなのどうでもいい。
───くらい、くらい、こわい。
重い金属の音が耳をかすめる。
「…ハァ…、ハァ……」
真っ暗で孤独な空間に荒い息だけが残る。
喉から声が出ないまま、透き通った透明な汁が頬をつたい、無気力な身体に沁みる。
───くらい、だして、だしてよ。
足を動かそうとすると、金属のかすれる音が骨髄に反響する。
───くらい、こわいよ、
──だれか、たすけて。