飛躍少女と鷹の目少年

□第5Q 『キセキの世代』を倒すと
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瑠璃は誠凛高校に着いた。


新設校なだけあって何もかもが綺麗。


秀徳高校は結構古いから、こういう校舎は憧れる。


瑠璃は門を抜け、体育館を目指す。


しかし体育館というのは、割と入口の近くにあったりするもので…。


即体育館らしき建物発見。


扉に手をかけ、それを開けると


ダン!!!


という音がすぐ近くでした。


音のした方を見ると、髪が赤い大柄な男がジャンプから着地したらしかった。


周りを見ると、紅白試合の真っ最中っぽく体育館中の注目を集めてしまった。



「…誰ッスかアンタ」



赤髪の彼に話しかけられ、答えようとしたら



「瑠璃さん」



と声がかかった。


確認しなくても分かる声。


ふと気配のした方を見ると、帝光中幻の6人目テッちゃんこと黒子テツヤがいた。



「テッちゃん……会いたかった」



瑠璃は、それだけ言うと黒子に抱きつき、黒子は瑠璃の頭をポンポンするその光景は、まるでカレカノ。


「お久しぶりですね」



「うん」



その会話をした後、2人は離れ向かい合う。


すると、バスケ部が周りに集まってきていた。



「何、黒子!お前、そんな可愛い彼女いたの!?」



口が猫みたいな人、小金井慎二が黒子に話しかける。



「いえ、違います。彼女は、帝光時代コーチをしてくれた茉莉瑠璃さんです」



黒子が瑠璃の紹介をしてくれ、彼女はどうもと頭を下げる。


「マジか!…の割には仲良くね?」



誠凛バスケ部主将の日向順平が思ったことを口にした。



「テッちゃんは私の癒し」



「テッちゃん!?」



「癒し!?」



一々反応がオーバーな気がするが、それは秀徳がおとなし過ぎるだけで、誠凛にとっては普通のことだ。



「瑠璃さんは、今日どうしてここに?」



黒子を始め誠凛バスケ部一同が思った疑問を質問した。



「テッちゃんの相棒見学しにきたの」



その質問に対し正直に答える瑠璃。


まぁ、これに付け加え『視察』もあるのだが。



「火神くんのことですか…?」



「かがみ?」



黒子が言ったことを繰り返す瑠璃。



「俺がどうかしたか?」



自分の名前が出てきて驚いた赤髪の男、火神大我が黒子と瑠璃に視線を移す。


その動作に瑠璃は、火神大我は黒子の相棒だと知る。



「瑠璃さんが、火神くんを見にきたそうです」



黒子が代わりに説明する。



「俺を?なんでだ?」



「テッちゃんの相棒だから?」



「なんで疑問系なんだよ」



火神の質問に瑠璃が答えようとしたら、女子のキャーキャー騒ぐ声に掻き消される。


よく見ると、ペンや色紙を持った女子達が騒ぎながら待っていた。



「何!?なんでこんなギャラリーできてんの!?」



誠凛バスケ部のカントク相田リコが叫ぶ。



「あーもー。こんなつもりじゃなかったンスけど…」



不意にそんな声が聞こえ、一斉に声のした方を見る。


その人物と目が合った黒子と瑠璃。



「アイツは…!」



日向が言ってる間に



「…お久しぶりです」



と黒子が言い、



「涼ちゃん、久しぶり」



瑠璃も言うと、その人物、キセキの世代―黄瀬涼太も返事をした。



「ひさしぶり〜…ってあれ?瑠璃っち?」



秀徳高校にいるハズの瑠璃が誠凛高校にいるから混乱している黄瀬。



「それは後でね。いいからサイン終わらせて」



黒子の時とは違い冷たくあしらう瑠璃。


それが彼女の黄瀬への態度。


そのことを気にしていない黄瀬は


「わかったッス!じゃあ、あと5分待っててもらっていいッスか?」



特に断る理由もないので、バスケ部+瑠璃は8分待った。





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