飛躍少女と鷹の目少年
□第4Q 飛躍少女!?
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入学式から1週間と少し経った部活の時間。
茉莉瑠璃と緑間真太郎と高尾和成は、体育館にいた。
この3人にとって本格的な部活動の時間である。
そして今日は、一年対レギュラーのミニゲームの日だ。
一年と言っても、もちろん緑間と高尾の2人しかいないわけなんだが、実力を見るためのミニゲームだから別に構わないのだそうだ。
だが、緑間がそんな中途半端なことをするわけがなく…
「人事は尽くした」
約1週間、連携技などを練習してきた。
その中で高尾は、緑間はシュートだけが得意と思っていたが、パスやブロックも中々の腕前だったことで実力を認めていた。
そして…
「真ちゃ…あ、間違えた…。ま、いっか!俺も今度から真ちゃんって呼ぼっと!」
緑間には心底嫌がられてたが、最終的には「好きにしろ」と言われ、高尾の『真ちゃん』呼びが始まった。
ちなみに何故間違えて呼んでしまったのかというと
「瑠璃ちゃんのがうつっちゃったんだよね〜」
だそうだ。
そんなエピソードはさておき、ミニゲーム前の準備運動をしている2人。
瑠璃は彼らをゴール近くのベンチに座り、資料を片手に見ていた。
「いいな、2人とも…」
大好きなバスケが出来るなんて羨ましいと瑠璃は思う。
バスケに関われるのはいいのだが、やはりバスケをしたいのだ。
そこに、バスケ部レギュラー3年の宮地清志が瑠璃に話しかける。
「茉莉、部活には慣れたか?」
瑠璃からすれば先輩に当たる人に話しかけられるのは少し緊張する。
「宮地さん…。はい、お陰様で」
相変わらず笑顔がない瑠璃だが、変に媚を売る女じゃなくて良かったと宮地は思っていた。
宮地はそういう女子が嫌いなのだ。
「そうか…。ま、アイツらの実力も見れるし…今日はしっかりよろしくな」
緑間のことは多少苦手だが、宮地は頑張って理解しようとしていた。
「はい、頑張ります」
瑠璃がそう返事したところで監督がミニゲームを始めると声をあげた。
宮地は瑠璃から離れ、センターラインへと急ぐ。
他のレギュラー陣も同様に動く。
緑間、高尾もセンターラインに経ち、2対5のミニゲームが始まった。
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