影に恋して

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青峰大輝は1ー3の教室へ、姉の青峰希輝は1ー5の教室へ向かった。


希輝は教室に入る。


まだ緊張が漂う教室内に少したじろぎながらも自分の席に着く。


青峰という苗字、実は出席番号1番のことが多いのだが、今年も例外なく1番だ。


そして帝光中学では最初の1ヶ月くらい出席番号順に座るらしい。


希輝の後ろに次の番号の人、その後ろが…という座りかたになっている。


だから、彼女の隣に座るのは恐らくカ行の苗字の持ち主だろう。


ていうか、昨日いなかったような…。


希輝はう〜ん…と首を傾げるが、ま、いいやとあまり気にしなかった。


すると



「…おはようございます」



「ひゃっ!」



隣から突然声が聞こえ、思わず叫んでしまった。


横をよく見ると、今にも消えてしまいそうなそんな儚さを持っている男の子がいた。


彼は、綺麗な水色の髪が特徴的な可愛らしい子で、思わず見惚れているとその子は何を勘違いしたのか…



「すいません。驚かせてしまって…」



と、謝った。


彼の言葉で我に返った希輝。



「いやいやいや、こちらこそごめんなさい!気づかなくって!」



そうだ、謝らなければならないのは希輝の方だ。


挨拶されて驚いたんだから。


ん…?挨拶……。



「あ、おはよう!」



挨拶をしてなかったので今返す。遅いけど。


それでも彼は少し笑ってくれた。


そんな彼を見て希輝は軽く頬を染める。


「お名前…聞いてもいいですか?」



彼が言っててくるから、希輝は
もちろん。
と返事を返し、自己紹介をした。



「私の名前は青峰希輝!あなたの名前は?」



隣同士なのでこれからお世話になるから向こうの名前も聞いときたいと希輝は思った。


彼は
青峰さん…。
と呟いてから自分の名前を言った。



「僕は黒子テツヤと言います。」



黒子くんね。
希輝は彼に言い返して、お互いに
よろしく。
と挨拶をした。




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