源氏

□愛し愛しとこの心が告げるから
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「和音其れではお前は私と共に歩むのかしら?」


首を傾げこちらを無垢に見つめてくる愛しい人に和音は微笑んだ。

そして告げるのだ。誓いの言の葉を…。


「はいお方様貴女と共にあることこそが私の幸福だから」

「どうか告げてください」

「このわたくしめを縛る言の葉を」


微笑み返しながら告げた言の葉が入たく愛しい人は気に入ったようで

涼やかにくすくすと微笑む。

そして囁くあえやかな声音であまくあまく。


「愚かな子本当に愚かな」

「だけれど愛しいお前はずっと私の傍にあるのでしょう?」

「どんな道行きをも共に」


其の言の葉に和音は微笑んだ。

あまりにも嬉しくて今死んでも悔いはなかった。

愛しい愛しい好きでたまらない。貴女が何よりも大切でたまらない。

微笑み返すと愛しい人もまた微笑んだ。

其の幸福を噛みしめて誓いを新たに心に刻む。

貴女を護るためなら何をしてもいい。

貴女が生きるためならどんな身にもこの身をおとせる。

愛しい人の手を取り手の甲に口付る。

其れは誓いの口付け。永久の誓い。

たとえ魂が滅しても続く呪縛の証。

だけれど貴女になら喜んで囚われるから

そう薄く和音は微笑んだ。

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