天雪

□願い恋ふるなら
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君に触れたい。だけれどその願いは天海にとっては

終わりを意味していて取ることのできない選択。

だけれど君がこの手を選ばずに私を殺すその時は君の手で壊されたい。

触れる。触れたい。ただ君にそう祈る。

世界はそれを赦しはしなかったけれど。

恋うている君にこの生をひと時とはいえ終わらせてほしい。

ただ願いが叶うならそれを天海は祈るのだろう。

それすらも叶わぬのなら最後は壁で在りたい。

君が憎める。怒れるもので在りたい。

そうすれば君は生きていてくれるだろうから。

死に落つる君を天海は見たくはなかった。

生きて。叶うなら触れてほしい。哀しいまでの純粋な祈り。

闇である天海はただ願い恋う。ひたすらに愛しい存在のことを。

生きてと生きたい。そう叫ぶ心には気づくことすらできずに。

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