天雪

□君だけに
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天海の婚約者になってからも日々は変わらずにすぎていた。

変わったことといえば傍らには必ずといっていいほどに天海がいること。

其のことに都は眉を顰めるもののゆきにとっては喜ばしいことでしかなかった。

ゆきは家を離れて天海の家で生活をしていた。

ゆきが成人すれば籍をいれることになっていた。

両親に天海が会いに行った日にゆきと天海は一線をこえていた。

其のことをゆきは後悔していなかった。これからもするつもりもないのだ。

天海の帰りを家で待ちながら料理を作り家事をする。

今からするのねと母に苦笑されたけれどゆきは幸福だった。

今からううんこれからずっと天海に尽くせることがとても幸福で嬉しかった。

いつの間にかゆきは眠ってしまっていた。

差し込む光があまりにも温かかったから。


「ゆき?」


天海は眠るゆきの顔をそっと覗きこむ。

ゆきはどうやら洗濯物を畳んでいる最中に眠ってしまったらしい。

微笑ましくて癒される。そうしみじみと思う。


「愛しい子唯一の人よ」

「君だけに私は誓います」

「永久の愛をずっと常しえに」


眠るゆきに微笑みかけ天海は洗濯物を退けると

寝室から毛布を持ってきてゆきにかけると共に其れに包まった。

願わくば同じ夢を見れるようにと祈りつつ。

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