鯖煮
□ラミアの選択
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助けた悪魔使いたちが殺しあったとヤマトからメールが来ても真理は揺らがなかった。
愛しいのは彼方だけ。世界はとうに腐りきりだからこそつくり変えなくてはならないのだから。
ヤマトの手を取ることを真理は決めていた。
そして選択の日、真理はヤマトが手を伸ばす前にヤマトに抱きついた。
それが真理の答えだったから。ヤマトはうっすらと微笑んだ。
そしてひめやかな声音で真理にヤマトは囁きかけた。
「真理お前は賢い。お前は私のものだ。その意味がわかるな?」
その言の葉に真理は微笑みヤマトの手を取った。
そして胸へとその手を導いた。その肉の下では心臓が鼓動を刻んでいる。
その雄弁な答えにヤマトははっきりと笑った。
「フフ、ハハハ……ッ!」
嗤うヤマトに真理は微笑んだ。彼方と共にありたい。
私の命は彼方のもの。殺すのも彼方しだいなの。
ふわり微笑む。二人の影は重なり濡れた音が響く。
嬉しい彼方のものになれて。うっすらと壮絶な笑みを真理は見せた。
ヤマトと真理は睦みあう。好きずっとーー。
その先の言の葉は口付けられ音にはならず。
今、確かに彼女は選んだ。強き者のみが生き残る世界を。